2013年のアメリカ映画「ジャックと天空の巨人」です。
原題は「Jack the Giant Slayer」です。
原題の「ジャイアントスレイヤー」の方がインパクトあったと思うんですが、邦題はイマイチです。
しかも、日本語吹き替えのメンツがひどいというのもこの映画の特徴です。
タレントさんで埋め尽くされていてイメージが違うと思うので、この映画は是非「字幕」でご覧ください。

もとはあの「ジャックと豆の木」です。
牛を売りに行ったジャックが何故か牛を豆と交換して帰ってきてジャックママが大激怒、豆をほうり捨てます。
しかしその豆はただの豆じゃなく魔法の豆、あっという間に天空まで届く巨大な樹木となり、ジャックはその木に登っていきます。
天空では巨人達がいますが、何とか財宝を持ち帰ったジャックは母と優雅に暮らしましたとさ・・・。
みたいな物語ですね。

この映画はその物語を更に発展させたものです。
最近ハリウッドで流行りですね。
全く新しくゼロから作るのではなく、みんな知ってるおとぎ話や歴史上の人物を大胆なアレンジで作り変えるみたいな。

この「ジャックと天空の巨人」では、始まりは一緒です。
牛ではなく馬を売りに行くくらいの違いですかね。
で馬と豆を交換しちゃって帰ったら叔父さんに大激怒、豆を捨てられます。
しかしここから話が変わってきます。
城からお姫様が雨宿りにジャックの家を訪ねるのです。
どしゃぶりの雨の水分を吸った豆が急にでかくなり、家ごと持ち上げ天空へ。
ジャックは途中で落ちてしまいますが、お姫様はジャック家と一緒にそのまま天空へ。

王様とか家来とかかけつけて非常にヤバい空気。
恐い王様だったらそのまま打ち首だったでしょうね。
でもこの王様、顔は恐いがとても優しい。
ジャックに姫を助けに行くというチャンスを与えるのです。
というわけで、ジャックは城の兵士のエルモント達と一緒に豆の木に登っていくわけです。
しかし・・・、この豆を悪用しようと考えるロデリックもついてくるのでした・・・。

最初の40分はそうやって豆の木に登るまでで費やされます。
この映画の見所はここからです!!
天空に着いた彼らを待ち受けていたのは言わずもがな「巨人」!!
巨人登場のシーンのインパクトはハンパないですよ。
去年このブログで絶賛したノルウェーの「トロール・ハンター」という映画とは比べようもない恐ろしいCG力!
「トロール・ハンター」の微妙な映像も恐くて良いんですが、この映画は200億円近く使って作られた超大作。
超リアルにくっきりたっぷりと巨人を見せるには充分な資金力があるのです。

この巨人のクオリティがこの映画の見所の1つ。
そして逃げ回るのはCGの人間ではなく、リアルな人間です。
よくここまでCGの巨人とリアルな人間の合成に成功したものです・・・。

感服すると同時に、自分の頭に浮かんだのは・・・。

「進撃の巨人」の実写・・・。

去年日本から世界中へ大ブームを巻き起こした漫画「進撃の巨人」の実写化が日本で進められているのですが、出来ることならこのスタッフに作ってほしい。
日本が作ることになったんで、おそらく巨人はCGじゃなくて実際の人間を使うでしょう。
いわゆる「特撮映画」という感じになるのでしょう。

絶対失敗すると思われる映画版「進撃の巨人」。
今からでも遅くない、ハリウッドのこの映画のスタッフ達に任せよう・・・。
いや、マジで、お願いします。

というわけで自分は勝手に「進撃の巨人」とリンクさせながら観ました。
恐らくエレンの母ちゃん食った巨人はこうやって食ったんだとか・・・。
馬で逃げていく人間達を大勢の巨人が追いかけていくシーンもまさしく「進撃の巨人」。
必死で走って逃げる人間を3歩で追いついて潰しちゃう巨人も「進撃の巨人」。
「進撃の巨人」の巨人たちは何処から来たのか謎となっているが、そうだったのか、豆の木つたって下りてきたんだ・・・。
あぁ、これはハリウッド版「進撃の巨人」なんだ。。。。。

なんて妄想しても楽しめます。

あまりの映像に驚きなんですが、ストーリーも非常に良いです。
単純に天空に行ってドタバタやるんだろうと思ってたら、お姫様を意外と簡単に奪還成功。
財宝がチラッと映りますがジャックはスルーして無事豆の木から下りてくるんです。
しかし、この映画の真骨頂がここから始まります。

何と下りてこないはずの巨人たちが天空から地上へガンガン下りてくるのです!!
地上を侵攻するのです!!
巨人vs人類の戦いが始まる。
お~何という展開。

それぞれのキャラクター達にもそれぞれの物語の進行があって目が離せません。
巨人が何故みんな英語を喋るのかは置いといて、巨人たちそれぞれにもキャラクター性が。

ラストで現代のロンドンの映像になり、王冠がロンドン塔で現在も保管されているのでした・・・的な終わり方は余計だったかなと思いましたが。

映画の冒頭で悪党たちがひれ伏したのは目の前に王女の兵がいたからというシーンと、ラストでひれふす巨人たちの前に主人公がたっているというシーンが対になってるところは良かったですね。

ジャックを演じたニコラス・ホルトは2002年の「アバウト・ア・ボーイ」の少年の子です。
あのままの顔で大きくなりましたね。
忠実な騎士をユアン・マクレガーが演じていて、とても似合ってると思いました。
髪型が凄いハネてたけど、当時からワックス&スプレーみたいなものがあったんでしょうかね。

というわけで、予想を遥かに超える面白さでした。
巨人の大迫力を楽しむために1インチでも大きな画面で観ることをオススメします。

あ、字幕でね。

オススメ度「63%」