$塩かけると甘くなる映画

2012年のフィンランド・ドイツ・オーストラリア映画「アイアン・スカイ」です。
フィンランドの映画ということで自分の知ってる俳優さんは出てませんでした。

物語は2018年。
約50年ぶりにアメリカが月に人を送るところから物語が始まります。
50年ぶりに月にやってきた宇宙飛行士ジェームズは黒人のモデルです。
もうモデルが月に来ちゃう時代なんだねぇなんて油断していると、月の裏側でとんでもないものを発見してしまうんです。
それは・・・、ナチの残党が作った月面基地だったのでした・・・。

何ともぶっとんだ展開から物語の幕があけます。
いわゆる「ダークサイドムーン」という月の裏側の謎には色んな都市伝説がありますね。
NASAが初めて月に到着した時にはすでに月の裏側は宇宙人の基地でいっぱいになっていて、宇宙人が地球を監視していたとか。
映画「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」では、月の裏側に物語のラストに繋がる大きな秘密が隠されていました。
エヴァンゲリオンだと、カヲル君がいましたしね。

とにかく月の裏側というのは謎で、神秘で、色んな憶測を呼ぶものです。
しかしこの映画のその憶測は笑ってしまうくらい突飛なものです。
月の裏に生き残ったナチの残党が基地を作り、そこで「ヘリウム3」という物質を掘っていたというのです。
その基地もナチのシンボル逆卍型にデザインされていたり、笑ってしまうくらい発想がトんでます。

さぁ、ナチが生き残ってた大変だってことになるんですが、宇宙飛行士のジェームズはナチに捕らえられてしまいます。
そこで改造手術?のようなものをうけ、黒人のジェームズが白人にされてしまいます。
そして、ナチは地球に向けて侵攻を開始するのです。

月からナチスが攻めてきた!という凄い発想からグイグイ物語りに引き込まれていきました。
久々に地球に降り立ったナチスの連中は地球がこれだけ高度な文明になってることに驚きます。
しかし、ナチスの強引な計画によって地球は危険にさらされていくのです。

なんだか少しだけ「マーズ・アタック」を思い出してしまいました。
ナチスが火星人に見えてしまうんですよね。
シリアスなんだけどどこかフザケてる感じも「マーズ・アタック」臭がしました。

とにかく全編にわたって色んな小ネタが散りばめられていて笑えます。
フィンランドの映画スゲー!!って実感出来る1本だと思います。

そういえば前このブログでNASAの月面着陸の話をした時、「当時の宇宙船のコンピュータは現在のiphoneより低いレベルのやつだ」ってことを話したことがありました。
そのこともこの映画の中でネタにされていて、ジェームズが持っていたスマホを手にしたナチスの研究者が「これ1つで何でも出来るで~!!」ってテンションあがるシーンがあるんです。
今のスマホがいかに凄いのかってことがよく分かるとともに、本当に50年前にこんなコンピュータで月まで行けたんかい?と改めて思いました。
そして、すぐスマホの電池が切れてしまうというネタもあり、かゆいところに手が届く作りです。

おもしろすぎて2回続けて観てしまいました。
「マーズ・アタック」が好きな人ならこの映画は一生心に残るくらいの1本になるかもしれません。
おもしろいネタの部分が山ほどあるんですが、是非観てから笑ってほしいと思います。

最後に自分が一番ウケた部分を1つだけ紹介して終わりましょう。
それは、月にヘリウム3の基地があったり色々な事実が山ほど出てきて国連会議のような場所で「いったいどこの国がこんなことしたんだ?」って話し合います。
すると北朝鮮が手をあげて「はい、うちです、我らが偉大なる総書記の力なのです!」みたいなことを言います。
すると他の国の代表達が大爆笑して「はいはい、分かった分かった、北朝鮮の人座っていいよ」ってあしらうのです。
いちいちこういう皮肉まで混ぜてくるあたりがこの映画の真骨頂だと思いました。


オススメ度「68%」