2000年のアメリカ映画「おいしい生活」です。
原題は「Small Time Crocks」。
ウディ・アレン監督・脚本・主演となっています。
他にもヒュー・グラントも出ています。

ウディ・アレン演じるレイは根っからの悪。
真面目に働くなんてバカバカしい何か計画して「おいしい生活」手に入れようと企んでいます。
そんなレイにはフレンチーという妻がいて、友達も数人います。

ある日、レイは銀行の隣が空き家になってることに気付き、そこを借りてトンネル掘って銀行の金を頂こうという計画を企てます。
フレンチーに話すとバカバカしいと怒られるのですが、仲間数人を誘って早速計画開始。
嫌々フレンチーも参加することに。
表向きはクッキー屋を経営しながら地下では男達が銀行まで穴を掘るという雑な計画です。
ここまではコーエン兄弟の「レディ・キラーズ」に似てます。
銀行まで穴を掘る計画をたてるが、仲間がバカすぎて使いもんにならないというコメディです。

しかしここから先は「レディ・キラーズ」と変わっていきます。
穴をうまく掘れないのは同じなんですが、違うのは上の階でやってるクッキー屋が繁盛するということです。
フレンチーが嫌々クッキーを焼いて適当に販売してただけなのに「美味しい」と評判になり行列が出来るクッキー屋になっていきます。
穴掘りのカモフラージュとして適当にやるだけでよかったのに、クッキー屋はどんどん大人気に。
テレビが取材までしにきて、もはや穴掘りどころではなくなるのでした。。。

そして1年後、クッキー屋はチェーン店となり大繁盛。
爆発的に大ヒット、レイとフレンチーは大金持ちになっているのです。
他の仲間達も会社の重役として名をつらね、全員が「おいしい生活」にありつけているのです。

いやーほんとに「おいしい」、おいしすぎる生活です。
フレンチーのクッキーが美味しいというのは冒頭部分で言ってたんですが、ここまで美味しかったとは。
もともと儲けるつもり無かったから面倒な時は無料で配ったり、客にも一切気を使わないフレンドリースタイルがたまたまマッチしたのかもしれません。
うらやましすぎる、アメリカドリームはこんなに簡単だったのか。

しかししかし、元々盗みなどで金を作っていたレイとフレンチー、急にセレブになっても何をやっていいのか分からないのです。
とりあえず高級なものを食べ、高級な買い物をし、家の中を絢爛豪華に飾るだけ。
新しくできたセレブフレンド達とはうまく話が合わず、自分達がいかに無知だったかをフレンチーは知ります。
そこからフレンチーは勉強をして外見も中身もちゃんとしたセレブになろうと考えるのでした。

貧乏人が急に金持ちになったってそううまくはいかないよっていうウディ・アレン流のコメディです。
以前も書きましたが自分はあまりウディ・アレンが好きじゃないので微妙でした。
でも発想は好きだったので、違う監督でリメイクしたらおもしろそうです。
あと、ベタすぎるボケが多すぎるというのもガッカリです。

物語は好きなので、テイストを少しかえて今風のブラックコメディにしたら好きな映画かもしれません。

オススメ度「39%」