2011年のアメリカ映画「マネーボール」です。
ブラッド・ピットが製作と主演をつとめ、他にジョナ・ヒル、フィリップ・シーモア・ホフマンが出演しています。
ブラッド・ピットはアカデミー賞の主演男優賞、ジョナ・ヒルもアカデミー賞の助演男優賞にノミネートされました。
2人とも受賞はしませんでしたが、特にジョナ・ヒルのノミネートは嬉しかったです。
「スーパーバッド」で大好きになって以来、ジョナ・ヒル見るたびに応援してました。
ストーリーは、10年くらい前に実際にアメリカの大リーグで起きたことをもとに作られています。
ブラピ演じる主人公のビリー・ビーンはアスレチックスのGMです。
GMというのはジェネラルマネージャーの略で、球団の中ではオーナーの次くらいに偉い人だと思います。
ビリーは中々優勝出来ないチームで何とか奮闘していたのですが、2001年に主力の3選手を引き抜かれてしまいます。
主力の抜けたチームの建て直しに悩むビリーはある日、イエール大学で経済を専攻したピーター・ブランドに出会います。
ピーターはビリーのスタッフとは全く違う価値感で野球を見ていました。
そこに惚れたビリーはピーターをすぐさま引き抜き自分の部下にします。
そしてそこから、野球界が驚く改革を進めていくのでした・・・。
こういうスポーツの映画というのは「出来すぎだ!」とか言われがちなんですが、なんせこの映画実話をもとにしているだけに説得力があります。
「ウソー?」という感じではなく「マジかー!」という期待感で観てしまうんですね、実話スポーツストーリーの破壊力おそるべし。
そして、そのスポーツが野球、更に、どん底のチームが這い上がる、というアメリカ人ならみんな大好きな作りになっています。
自分は野球をほぼ観ないので正直ある程度のルールくらいしか知りません。
日本のプロ野球のチームも微妙なのに大リーグのチームなんてサッパリです。
しかし、それでも充分楽しめるようになっています。
この映画はスポーツシーンがメインでなく、あくまでも立て直す戦略の方がメインなんです。
というわけで、野球音痴にも大丈夫なこの映画なんですが、ピーターの考える戦力補強のやり方は驚くべきものでした。
1人の強打者が抜けたのを1人の選手で補おうとせず3人で1人分の価値を得たらいいとか。
年棒の少ない選手の中から数値だけを見て選ぶとか。
それまでの野球の補強のやり方を覆す考えで攻めていきます。
優勝するのに必要な勝ち数と、それに必要な点数を計算し、その点数分の打点の選手を揃えていく・・・みたいな感じです。
周りにはみんな「そんな計算だけで野球はうまくいかない!」と大反対。
実際全くうまくいきません。
しかし、2人はそれでもそのやり方に固執します。
もっと・・・もっと・・・計算して・・・集めていく・・・。
そしてその計算式がとうとう爆発します。
アメリカの野球史に残る20連勝という大記録を打ち立てるのです。
いやー良い。
痛快で快感。
「ほら、言っただろ!!」って感じの出来栄えです。
実際、ビリーとピーターの2人も驚いてたんですが。
しかし、さぁ優勝だ!とうまくいかないのが現実なんです。
結局最後で負けてしまい、優勝は逃してしまいます。
映画の話だったらそのまま優勝してドッカーン!とハッピーエンドで終わるんですけどね。
実際はそううまくいかないんです。
そこからビリーのシーンが色々あって・・・、ここ感動です・・・。
良い映画だなぁ・・・、グッときた・・・。
って思ってるところに画面にこんな文字が。
「今でもビリーはチームの優勝に挑戦し続けている・・・」
あぁぁぁ・・・、ビリーはあれから10年たった今もアスレチックスのGMとして優勝の夢を見てがんばってるんだそうです。
ストーリーも俳優も終わり方も好きな映画です。
オススメ度70%