2010年のアメリカ映画「スカイライン -征服-」です。
日本ではだいぶ遅れて2011年の6月に公開されています。
有名な人は出てないしさほど宣伝もされなかったので制作費8億円くらいで作られています。
8億円にしては迫力ある映画だと思います。
簡単に言えば「インデペンデンス・デイ」です。
ある日起きたら空にデッカイ宇宙船が・・・。
そしてその宇宙船が攻撃してきた!!
パニクる人間を描いたディザスタームービーです。
「インデペンデンス・デイ」と同じように展開するんですが決定的な違いは主人公がヒーローになるわけじゃないってことです。
「インデペンデンス・デイ」はパイロットの主人公がその光景を目にし軍へ行き関わっていくことで最終的には侵略者と戦いヒーローになりますね。
この映画の主人公はパイロットどころか普通の一般人です。
しかも映画のラストまでマンションから一歩も出ません。
空ではアメリカの空軍らしきものが宇宙人と戦ってるんですが、そこには加わりません。
あくまでもパニクる側がメインとなっている点が「インデペンデンス・デイ」と大きな違いです。
最初の15分が異様につまらないというのがこの映画の残念なところです。
なんだかリッチな友達のマンションに遊びきた主人公カップル。
リッチで女はべらせて暮らす光景が15分間続くんです。
これからヒドイことになる前の日常を映しておくというのはパニック映画においての鉄則なんですが、この映画には不必要だったのかなと思いました。
ましてや複数の家族や色んな国の情景ではなく、たった1つのリッチマンの生活だけが15分続くんで眠くなります。
この無駄な15分のせいで観る気失せてきた頃、とうとう宇宙船到着。
攻撃、侵略、征服、というとんでもない状態になっていきます。
ここからはノンストップで1時間ほどパニック状態が続きます。
本当に次々と襲いかかってくるのでこの60分くらいはかなり楽しめました。
ただ・・・、さっきも言ったようにずっと1つのマンションの中だけで繰り広げられるのでパターンに飽きる感じもあります。
「インデペンデンス・デイ」のように世界の他の街はどうなってるとか一切情報ないのが気になりました。
世界中こうなってしまっているのか、それともロサンゼルスの街だけなのか。
空では空軍が戦っているんですが、戦況はどうなのか、一切分からないまま終わります。
まぁあくまでもパニクる数名のみに焦点当ててますからね、仕方ないです。
ある意味これがリアルなのかも。。。
マンションの中を必死で逃げ続ける主人公とその彼女でしたが、ラストでとうとう捕まってしまいます。
そして母船?みたいなところに吸われ・・・、終わり・・・、と思ったらまだ少し続きがあります。
主人公の男は脳みそを取られ首から下だけの体になりポイッと捨てられあっけなく死亡。
彼女も脳を吸いとられそうになるんですが、お腹に子供がいることを知った宇宙人は殺さず子供を取り出そうとします。
赤ちゃんが・・・その瞬間、怪物が彼女を助けに来ます。
そして彼女が怪物を見て主人公の男の名前を呼んで終わり・・・。
助けに来た怪物の頭には主人公の脳が埋め込まれていて、かすかながら彼女の記憶があったのでしょう。
そしてお腹には自分の子が・・・見た目はグロテスクな化け物なんですが、心は彼氏のものだった・・・。
という悲しい切ない恐いエンディングでした。
最初の15分のつまらなさは何だったんでしょう。
あれを無くすと70分程度の短い映画になってしまうんですが、そこから40分くらい続きを付け足すとこの映画凄いおもしろい映画に変身してたのではと思いました。
序盤の退屈なとこは削り、いきなり冒頭から宇宙人の攻撃が始まり、ラスト化け物へと変貌した彼氏。
そこから哲学、宗教のような、もはや何なのか観てる側が先が読めない不思議な世界へ行くみたいな。
化け物と化したが心のある主人公、それと同じ現象が他でも起き、化け物は人間を守るため悲しい戦いに向かう。
彼らにはどれくらい心が残っているのか、彼らの戦いは報われるのか、そして彼らの運命は・・・。
なんか想像しただけで超興奮するB級映画が完成すると思うんですが。
まぁそうなると予算が2倍近くかかるのかな・・・。
何か微妙に残念な部分と、その後の妄想が膨らむラストシーンが印象的な映画でした。
オススメ度「67%」