2010年のフランス映画「イリュージョニスト」です。
シルヴァン・ショメ監督のアニメーション映画です。
去年のアカデミー賞の長編アニメ映画賞にノミネートされた作品です。
その時は「ヒックとドラゴン」「トイ・ストーリー3」もノミネートされていて、結果「トイ・ストーリー3」が受賞しています。
シルヴァン・ショメ監督はこの前このブログでも書いた「ベルヴィル・ランデブー」を作った人です。
セリフは少なめで個性的なキャラクター達の動きなどを見せていくことで物語を語っていくというスタイルです。
ストーリーはある手品師が主人公です。
手品師は町を回って手品を披露して生活しています。
そんな時ある町で少女と出会います。
少女は手品師の手品を見てそれをとても気に入り手品師についていくことにします。
2人は一緒に旅をすることになるのでした。
という感じで始まっていきます。
基本的にセリフはありませんが、キャラクターの表情や動きで会話などを感じることが出来ます。
手品師はおそらく50~60歳くらいのおじさんです。
少女は10代後半から20代前半くらいなんでしょうかね。
親子以上に年の離れた2人なんですが、少女は田舎でずっと暮らしていたため世間をよく知りません。
しかし旅先の都会で刺激を受けオシャレをしたいと思い始めるのです。
それを手品師にお願いすると、手品師は少女に服や靴をプレゼントします。
みるみるオシャレになっていく少女とは逆に手品師はお金が足りなくなっていきます。
そして手品の仕事のない昼間にアルバイトまでして少女に物を買ってあげます。
なんだか不思議な関係なんですが、手品師は少女を娘や孫のように可愛く感じたのでしょうね。
しかししかし、少女は街で出会った男性と仲良くなり恋をします。
昼間デートをしている少女と男を見かけた手品師はそっと荷物をまとめ街を出ていくのでした。
ちょっと切ないラストなんですが、哀愁たっぷりのアニメーションです。
少女は田舎から都会に出てきてそこで恋をする、ごく当たり前のことですし、年の離れた手品師と一緒にいるということ自体おかしなことだったのかもしれません。
しかし、この生活が長く続けばいいなという希望も手品師にはあったのでしょう。
そして手品師はお似合いの2人が歩く姿をみて気付き、そっと身をひいたのでしょう。
少女はその後あの男性と幸せに暮らしたのかなぁとか、手品師はきっと今も変わらず古臭い手品をやってるんだろうなぁと先を想像してしまいました。
オススメ度「51%」