2009年のアメリカ映画「シングルマン」です。
世界的に有名なファッションデザイナーのトム・フォードの監督デビュー作です。
主演は「英国王のスピーチ」のコリン・ファースです。
他にもジュリアン・ムーアが出演しています。

時代は1960年代。
主人公のジョージは同性愛者で、少し前に恋人の男性を事故で亡くしています。
生きることに何の希望も見出せないジョージは身辺を整理し、銃で自殺をしようと考えます。

という感じで始まっていくんですが、非常に芸術的に美しく描かれた映画です。
監督がファッションデザイナーということもあり出てくる人達の服はオシャレです。
ほとんど美しい男性と美しい女性しか出てきませんのでまるでファッションショーそのもののようです。
同性愛者の話はとても難しいと思うのですが、それをスムーズにシンプルに自然に描いています。
監督自身も同性愛者なのでそこらへんは気を使ったのでしょう。

ジョージの古くからの友人役でジュリアン・ムーアが出ているんですが本当に毎回この人は存在感があります。
このジュリアン演じるシャーロットはジョージの友人であり昔男女の仲になったこともあるという役どころ。
シャーロットはジョージのことを愛しているのですが、ジョージはその後同性愛に目覚めシャーロットのことは友人としか見ていません。
とても複雑な関係なんですね。

そして自殺しようとするジョージの前に現れる1人の男子大学生。
それはジョージの勤める大学の教え子でした。
彼がジョージに近付き、話は不思議な大人の展開を迎えます。

本当に「ザ・大人」といった感じの映画です。
ゆっくりじっくりと人間関係を描き「愛と人生」を表現していきます。
物語的には終わったあとに妙に物足りないような充分だったような不思議な感覚を覚えました。
「で、どうなの?」って感じもする反面、「ん~、なるほど~。」とも思ったりします。
同性愛者の映画ですが、それを普通とは違うものという見せ方をしていないので自然に観れました。
「私は大人だ!」って人は是非ごらんください。

オススメ度「51%」