2011年の日本映画「白夜行」です。
東野圭吾原作のサスペンスです。
主演は掘北真希、高良健吾、船越英一郎などなどです。
2006年にTBSでテレビドラマ化されその時全話観たんですが、東野圭吾らしいラスト付近でグッとくるやつですね。
単純に犯人が「恨んでいたのよ」と自供して終わるサスペンスではなく、犯人が犯行にいたるまでの思いを「考えさせる」ところが素晴らしいと思います。
物語は1970年代に起きた事件から始まります。
質屋が殺されたその事件を捜査する警察官・笹垣、そして周辺に住む2人の子供・亮司と雪穂。
この3人を中心に物語が展開していきます。
事件当時子供だった亮司と雪穂は高校生になるのですが、亮司は不良の多い高校に、雪穂はお嬢様学校へ通っています。
雪穂はお金持ちの家の養子となっていて2人にもう接点はありません。
その後も雪穂の周りで起きる事件に笹垣は不審に思うのですが証拠もなくまた時は過ぎていきます。
雪穂は大人になりお金持ちと結婚し、亮司は行方不明となっています。
定年退職した笹垣はそれでも2人のことを調べ続けます。
この2人には何かある・・・、少しずつ少しずつ亮司と雪穂のことが明らかになっていくのですが、笹垣はその事実に愕然とするのでした。
とにかく話が終わったあとに亮司と雪穂のことについて考えさせられますね。
どんな思いで2人は生きてきたんだろう、2人にとって幸せってなんだったんだろう。
そして、亮司と雪穂の心の繋がりは愛だったのだろうか。
ん~、亮司がかわいそうに思える物語ですが、雪穂が悪魔だったわけでもありません。
まさに「光と影」の関係で、雪穂の幸せが亮司の生きがいだったのでしょう。
雪穂も亮司を利用していたのではなく、2人は一心同体、自分が幸せになっていくのを亮司に見てもらいたいという願いでしょうか。
同じ男として亮司の完全なる純愛は理解しがたいものがあると同時に切なく感じます。
要するに「価値観」の違いであって2人は同情されるほど悲しい人生ではなかったのかもしれませんね。
ラストで死にいく亮司を見ている雪穂の心の叫びを聞きたいと思いました。
あの亮司を見て何を思ったのか、表情を変えずにその場を去り生きていく雪穂・・・。
東野圭吾・・・やってくれるぜ・・・。
というわけで物語は大好きなんですが、この映画化はイマイチでした。
物語を知ってるだけにハードルがグンと上がっていたのかもしれませんが。
笹垣が船越英一郎のイメージは無いなぁ・・・。
テレビドラマだと武田鉄矢なんですが、まだ武田鉄矢の方が良かったかな。
雪穂はテレビドラマだと綾瀬はるかで、今回の掘北真希とどっこいですね。
亮司はテレビドラマは山田孝之で、今回は高良健吾。
ん~どっちも良かったけど高良健吾けっこう良かったなぁ。
映像化すると配役難しいですね。
でもやっぱり船越英一郎じゃないなぁ・・・。
オススメ度「48%」