2009年のイギリス/ドイツ/ロシア映画「終着駅 トルストイ最後の旅」です。
出演は、クリストファー・プラマー、ヘレン・ミレン、ジェームズ・マカヴォイとなっています。
ヘレン・ミレンはこの役でアカデミー賞の主演女優賞にノミネートされています。
ちなみにこの時オスカーを獲ったのはサンドラ・ブロックです。
原題は「The Last Station」となっています。

ロシアの作家であり思想家としても知られるレイ・トルストイの晩年を描いた物語です。
トルストイは名前しか知らなかったのでちょっとだけ調べてみました。
要するに「戦争ダメ!愛は地球を救う!」的な平和の思想を広めようとした人らしいです。
このトルストイの妻ソフィアは「世界三大悪妻」としても有名です。
トルストイの書いた本によって莫大な著作権料が入り優雅に贅沢に暮らしているのですが、トルストイはこの生活があまり好きではありません。
ソフィアは手に入れた財産をこよなく愛し、その考えの違いによって2人はよく言い争うように。
本の著作権を手放そうとするトルストイと、まだ贅沢したいからと拒むソフィア。
この苛立つ悪妻をヘレン・ミレンが見事に演じています。
ワガママでジコチュー、興奮すると大声でわめきちらし、皿などを割りまくる。
挙句の果てに嫌いな人物の写真を銃で撃つ始末。
もう手に負えない極悪妻にウンザリしたトルストイは82歳で家出します。

トルストイはトルストイで変わり者だと思います。
贅沢な暮らしに嫌悪感を抱き全てを放棄しようとするのですからね。
つまりは、トルストイとソフィアは両極端な夫婦だったように感じます。
似た者同士ならぬ似てない者同士の夫婦。
しかし、2人の間には40年間の夫婦生活によってできた家族としての愛情があります。
だからこそトルストイはソフィアを追い出すのではなく自分が出て行ったのでしょうね。

ちなみに「世界三大悪妻」のもう2人は、哲学者ソクラテスの妻クサンティッペ、作曲家モーツァルトの妻コンスタンツェとなっています。
惜しくも第4位で圏外となったのはナポレオンの妻ジョゼフィーヌだそうです。
凄い男の妻ばかりですね。

野球の落合夫人みたいなもんで、そういう悪妻が尻を叩くから男は偉人になったのかもしれませんね。
僕は、偉人にならなくていいので良妻が欲しいです。

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