2005年のアメリカ映画「SAYURI」です。
監督はロブ・マーシャル、主演チャン・ツィイー、他に渡辺謙、役所広司、工藤夕貴、桃井かおり、大後寿々花、ミシェル・ヨーといったアジアのスターがたくさん出ています。
原題は「Memoirs of a Geisha」で、「芸者の回顧録」といった意味です。
アカデミー賞では6部門にノミネートされ3部門も受賞した評価の高い映画です。

物語は1929年の小さな村から始まります。
そこで暮らしていた1人の少女が芸者の店へ売られます。
少女は住み込みで働くのですが、芸者などなりたいとは思っていません。
そんなある日、少女はある男性にカキ氷を買ってもらい、少女はその男性に憧れ近づきたいという思いから芸者を志すのでした。

という感じで始まります。
小さい頃の主人公を大後寿々花が演じていて、凄い堂々とした英語で演技しています。
大人になった少女は名前を「さゆり」としてチャン・ツィイーが演じています。
さゆりが憧れる男性を渡辺謙が演じていて、これまた堂々とした演技で日本人として誇らしいです。
桃井かおりが演じた芸者屋を運営する金に汚いおばさん役もまた見事でした。
そういった日本人のスター達がハリウッドで堂々と英語で演技しているのです・・・。
って、あれ?この映画の舞台は日本・・・なのに・・・。
日本なのに日本人がみんな英語話してるんです。
日本人としてそこがこの映画の一番ひっかかる部分で、芸者のお姉さん達がみんな英語なんです。
たまに芸者の人が日本語で挨拶したりするんですが、日本語ヘタクソなんです。
「コンバーンワ、ドモアリガトー。」て言う芸者いない・・・。

アメリカではアカデミー賞で賞を取ったほどの映画ですが、日本人から見ると違和感ありすぎてまるで「パラレルワールド」の映画です。
「これが当時の日本で、これが本物の芸者だ」って思ってアメリカの人は観たのかなと思うと恐いですね。
相撲のシーンで壁に「満員御礼」と書かれた張り紙があって、その字が汚い・・・ってとこは気にしすぎでしょうか。
小学生の習字の提出物みたいなのが張ってありました。
アカデミー賞アカデミー賞って映画通は叫ぶけど、しょせんこんなもんだぜアカデミー賞と思ってしまいました。

英語で喋る芸者さん達に終始戸惑いを感じますが、映像はとても素晴らしいです。
当時の日本の家屋の屋根とか、その屋根に積もったゴミとか、細かく世界観が作られています。
何より芸者さん達の着る着物の美しさは目を奪われます。

「これが芸者だ」という映画ではないと思いますし、芸者にたいして多少誤解してる部分もありますが、「パラレルワールドの芸者ストーリー」と思って観れば良い映画だと思います。

オススメ度「49%」