2008年のフランス映画「ずっとあなたを愛してる」です。
フランス映画が苦手な自分ですが、この映画はしっかり観れました。
主人公のジュリエットは自分の産んだ子供を殺し15年間刑務所に入っていました。
出所後は妹のレアの家で暮らすことになります。
出所する直前まで誰も面会に来なかったジュリエットは、妹でありながらレアとかなり距離感を感じます。
レアも母親に「姉はいなかった」と何度も何度も言われて育ったため小さい頃のジュリエットとの思い出などは忘れてしまっています。
それでもレアはジュリエットと分かり合おうと努力します。
そして中々心を開かなかったジュリエットが周りの人間と接していくうちに少しずつ心を開くようになっていくという心温まる人間ドラマです。
序盤のジュリエットは人と目があうことすら怯えているように思えました。
会話もしたくなく、余計なことも聞かれたくないと思っているため、どうしても人を寄せ付けないようにしています。
じょじょに物語が進むにつれ笑顔が見えるようになり、自分から話しかけたりするようになります。
しかし、就職時に刑務所のことを聞かれたり、入った理由などを聞かれます。
日本人だったら遠まわしに聞くか、何となく理解して触れないようにするもんですが、ずけずけと聞いてきます。
答えたくなさそうな顔をすると、更に聞きたさが増すようです。
映画の中でレアとレアの夫が「映画でも観にいこう」と会話をするシーンがあります。
レアが「クロサワ映画とかどう?」と言うと夫は「日本映画は眠いからいやだ」と言います。
自分はフランス映画を眠たく感じ、向こうは日本映画を眠たく感じていたんですね。
日本映画とフランス映画って似てるところがあるからお互い眠たい映画と思ってたんだなぁとちょっと納得しました。
似てる映画だとイギリスの「BOY A」という映画が似てるかもしれません。
「BOY A」は少年の時犯したある重罪で少年院に入り大人になって出てくるという映画です。
ただただ苦しみ悲しむ少年を描いた「BOY A」とは違い、この映画は周りにたくさん助けてくれる人がいます。
同じシチュエーションの映画ですが、両極端に展開していくので両方を見比べるとおもしろいかもしれません。
オススメ度「59%」