2007年の映画「ブラック・スネーク・モーン」です。
主演はサミュエル・L・ジャクソン、クリスティーナ・リッチです。
他にもジャスティン・ティンバーレイクが出演しています。
この映画は何かの映画についてきた予告編で知りました。
サミュエル・L・ジャクソンがクリスティーナ・リッチを鎖で縛り監禁しているような予告編だったのですが、見てすぐDVDを借りに行きました。
怪しくてヤバそうな映画だけど自分好みかなと感じて観たのですが、これが超当たりで「出会って良かったぁ」と思ったのを覚えています。
そして、最近急にまた観たくなったのでDVDで観かえしました、やはりおもしろいっ。
物語はサミュエル・L・ジャクソン演じる田舎の汚いおっさんが嫁に逃げられるところから始まります。
嫁は自分の実の弟に寝取られ、おっさんはプライドも何もかも打ち砕かれました。
一方、クリスティーナ・リッチ演じる町で有名なアバズレ女はジャスティン・ティンバーレイク演じる彼氏に逃げられてしまいます。
女はどうしても体の疼きを抑えられず色んな男と寝てしまいます。
そして、女は泥酔し男に殴られ道に捨てられてしまいます。
そこに通りかかったおっさんは、その女を家に連れて帰るのでした・・・。
という感じで始まりからかなり仰天な展開となっています。
そして映画の予告編どおりおっさんは女を鎖で繋ぎ監禁するのです。
が、おっさんはそういう性癖があるわけではありません。
むしろ逆で、真面目なクリスチャンなのです。
誰かれかまわず男と寝る女におっさんは「悪魔がとりついている」と感じ自分がこの子を治してあげようと鎖で繋いでいるのです。
おっさんはこの女の子に自分の嫁を重ね合わせて見ているのでしょう。
弟に体をゆるし自分を捨てた嫁とこの子が同じに見えてきてこの子を真面目な子に戻したいと思っているのです。
女の子はじょじょにおっさんの人柄に安心感を覚え、立ち直ろうと決心します。
お互い何かが欠けてしまい心にポッカリ穴があいてる者同士、また1からやり直すために日々を一緒に暮らします。
そして女の子は立ち直り、笑顔を取り戻し、帰ってきた彼氏とまたやり直すことになります。
おっさんはまるで自分の娘のことのように喜び、ドレスを着せてあげるのです。
実はおっさんにも子供ができたことがあったのですが、嫁が勝手に子供をおろしてしまったという過去があります。
産まれて生きていればこの子のように笑っていたのかなと思ったんでしょうね。
そして、2人は新しい生活を始めるのですが、決して全部解決したわけではないのです。
まだまだ2人は癒えないトラウマを抱え、これからもそのトラウマに苦しめられることでしょう。
それでも2人は立ち止まらずきっと困難を乗り越えていけることでしょう。
ということを予感させて終わります。
DVDのジャケットや予告編だけ観ると非常にサイコなストーリーのように感じますが、実は極上の人間ドラマを描いているのです。
苦しくて苦しくて逃げ出してしまうそうな時、人は人を頼り、助けられて生きていけるということをこの映画は語っています。
決して1人では解決できないことも、誰か1人でもそばにいてくれるだけで人間はまた歩き出せるのです。
その見せ方において過激な部分もあるのでR指定がついていますが、物語を構成する上で必要なことだと思います。
サミュエル・L・ジャクソンとクリスティーナ・リッチが送る極上の人間ドラマを是非1度感じ取ってください。
オススメ度82%