
2002年のアメリカ映画「パニック・ルーム」です。
監督はデヴィッド・フィンチャー、主演はジョディ・フォスター、侵入者をフォレスト・ウィテカーが演じています。
全員名前の語尾を伸ばす感じですね。
物語は主人公メグと娘のサラがある家に引っ越してくるところから始まります。
とても大きく立派なその家にはパニックルームという避難用の秘密の部屋が存在しています。
しかし引っ越したその日の夜に3人組の侵入者が家に入り込み、2人はあわててパニックルームへ逃げ込むのです。
だが侵入者の欲しい物もパニックルームにあるため彼らは強固に守られたパニック・ルームから親子を出そうとします・・・。
という感じで始まるサスペンス映画です。
映画の冒頭からラストまで全てこの家で物語は展開します。
広いとはいえたった一軒の家の中、更にはメインの登場人物は数名という状態で2時間全く飽きさせずに物語が進むのは見事です。
侵入者役にフォレスト・ウィテカーが出ているのですが、「ラストキング・オブ・スコットランド」の印象が凄い強くて何もしなくても恐いです。
彼が演じる侵入者バーナムは、誰も住んでないと聞かされた家に侵入し、家に人がいたため成り行きで強盗へと変貌するという男なのですが、根は悪い男ではなくお金に困っての犯行のようです。
しかし何度も言いますが「ラストキング・オブ・スコットランド」という映画の印象が強いためフォレスト・ウィテカーは見るたび恐いです・・・。
あとジョディ・フォスターの娘役なんですが、どこかで見覚えがある・・・って人多いと思います。
ボーイッシュなショートカットにしてるため分かりずらいかもしれませんが、顔に面影がありますね。
そうです、今をときめくクリステン・スチュワートなんですね。
「トワイライト」で大ブレークして、今アメリカの若い子達が羨望の眼差しで見つめる若手女優です。
あまりの人気ぶりにギャラが高騰しすぎて今や1本の出演料が20億円はくだらない超トップスター。
ジュリア・ロバーツが10億円くらい、キャメロン・ディアスでも15億円くらいと言われていますからこの若干20歳のクリステン・スチュワートの20億円がいかに凄いか分かりますね。
それにしてもデヴィッド・フィンチャーの映画はどれもおもしろいですね。
「セブン」や「ゾディアック」のような衝撃映画から「ベンジャミン・バトン」まで。
今年は「ソーシャル・ネットワーク」でアカデミー賞こそ逃しましたが、多くの人が監督賞はフィンチャーだったというほどです。
いまだアカデミー賞では無冠のフィンチャーですが、何であげないんですかね。
アカデミー賞って結局お上品な映画がお好きなんでしょうね。
「セブン」「ファイト・クラブ」「ゾディアック」「ベンジャミン・バトン」とフィンチャー映画大大好きなんですが、「パニック・ルーム」はその中から比べると数段落ちます。
もちろん「パニック・ルーム」おもしろいんです、でも他の作品が凄すぎたんでフィンチャー的には普通です。
んで、この映画のラスト、警察官が突入してきて無事一件落着するんですが、ここかなり不思議に思う人多いでしょう。
この助けにきた大勢の警察官の中に途中でこの家を訪れた警官がいるんです。
その時は主人公が娘を人質に取られていて警察に何も言えず追い返したのですが、その追い返した警察官が助けにきてるんですね。
その時「何か言えない状況ならウインクでもいいから合図をしてくれないか」と警察官が言うんですが主人公は「賊でもいると思った?大丈夫よ。」みたいな感じで何も合図せずにドアをしめるんです。
映画はそこからまた家の中の話に戻るんですが、警察官側のストーリーを想像してみましょう。
あの後警察署に戻ったその警官は同僚達に「やはり、あの家なんかある、おかしいぞ」みたいなことを言ったでしょう。
同僚は「大丈夫だって」となだめたでしょう、しかしあの警官は「いや、絶対おかしい、みんな一緒に来てくれっ」てなったのでしょう。
そして同僚達も「お前がそこまで言うなら」と言って一緒に来たんですね。
つまり、あの警官は洞察力、行動力、更には仲間からの信頼も勝ち得ているということに。
あの警官こそがこの映画のMVPだと私は思いました。
オススメ度「66%」