$塩かけると甘くなるやつ-人生に乾杯!

2007年、ハンガリーの映画「人生に乾杯!」。
前回書いた「パブリック・エネミーズ」と同じく主人公は銀行強盗犯で警察に追われながら犯行を繰り返すという物語です。
しかし、「パブリック・エネミーズ」と決定的に違うのは、犯人が年金生活者の80歳と70歳のおじいちゃんおばあちゃんだという点です。
「パブリック・エネミーズ」のように緊張感のあるものではなく、少しコミカルに物語は進みます。

2人は年金だけで生活することが難しくなり、とうとう大事なダイヤのイヤリングを売らないと生活できないほどに。
そんな生活が嫌になって、ピストルをポケットに入れ突如郵便局へ強盗に入るわけです。
紳士的に落ち着いてお金を取り去っていくお年寄り。
それがテレビで放送され、同じく年金で生活するお年寄り達のカリスマへとなっていきます。

そういう展開も「パブリック・エネミーズ」と似ています。
しかし、さっきも言ったようにこの映画はコミカルに進みます。
追う警察官もマヌケというか、逆に心配になるほどです。

2人はそんなダメダメな警察官を出し抜きながら旅を続けます。
そして驚くラストが待ち受けています。

おばあちゃんが言ってた「一度、海を見たかった」という言葉を、おじいちゃんが聞いてないようでしっかり聞いていたり。
普段難しい顔するおじいちゃんが、おばあちゃんに見せる笑顔だったり。
2人がその歳になるまで、喧嘩はあったものの仲良く暮らしたんだろうという背景が見えてきます。

いわゆる犯罪映画なのですが、そんなことを考えさせないほどほのぼのしています。
喧嘩しながらもなんだかんだで仲が良いという2人の空気感がとても良くて憧れます。
さほど物語的には何も無く、警察官が追ってくる、逃げ切る、を最後まで繰り返す感じです。
2時間弱ある映画ですが、1時間30分くらいにしてもよかったのかなぁという感じです。

オススメ度「62%」