俺はここ数週間、終の棲家を考えた。
◆彼女の意向
数年前に、「今後どこに住みたいか」彼女Nの意見を聞いてみたら;
第1希望: 京都市
第2希望: 特に無し
嫌な場所: 沖縄(紫外線が強ので日焼けが嫌)、福岡(男尊女卑が嫌)、大阪(人が多すぎるのが嫌)
◆南の島に住みたい背景
17才の頃、俺はバイクの交通事故で頭蓋骨骨折してしまい、2日間昏睡状態になった事がある。
結局、半月後に退院し、自宅で1.5ヶ月安静にする事になった。
退院時、担当医から注意事項を言われた。
「現代の医学では脳の病気については全て分かっている訳ではありません。
君の症状は現在回復へ向かっていますが、50才位になったら後遺症が出てもおかしくないので、
忘れずにいて下さいね」 担当医Tはゆっくりと、しかし真剣に説明してくれた。
「なるほど、了解しました。
(そうか、50才迄にやりたい事をやっておいた方がよさそうだなー)」 俺は深くおじぎした。
(45才迄に蓄財し、46才からは海辺にコテージを買い、毎日庭から海を見ながらのんびりと本を読む。
寒くなると頭痛がひどくなるから、南の島にしよう!
その為には人より急ぐ必要があるな、他人と同じ方法では間に合わないでー)
この時俺の「人生の逆算スケジュール」は決定した。