先日俺は10年ぶりに息子に誕生日プレゼントを送った。
◆背景
2000年、元嫁は上海で起業し、俺もサポートの為上海に移住した。
息子Gは2001年に上海で生まれ、出産後3ヶ月目からは元嫁が仕事に復帰する為に、
「住み込みのお手伝いさん(女性、中国の地方都市からの出稼ぎ、40代後半、中国語以外は全く分からない)」
に24時間体制で育てられたので、Gは5才になるまで日本語は一言も分からなかった。
一方、俺は中国に住んで10年間全く中国語が分からないままだったので、自宅にいても息子Gとは一言も会話が出来ず、娘R(1997年東京生まれ)に通訳してもらっていた。
ある日元嫁とお手伝いさんが外出し、俺と娘R(当時7才)と息子G(当時3才)の3人がお留守番で、家でアニメ「ライオン キング」を見ていた;
娘 「シンバ、頑張れー!」
息子 「*!*@$#%”&」
俺 「Rちゃん、Gが何か言ってるよ」
娘 「ふーん」 興味ないふりをしている。
俺 「なんて言ってるの?」 低姿勢で聞き直す。
娘 「ほい」 右手を差し出して手のひらを上に向けた。
俺 「仕方ないなー」 チョコレートを1個娘に手渡した。これが通訳の条件だった。
娘 「Gが『おしっこしたい』と言ってるよ」 Rは日中の同時通訳ができる
俺 「えーっ。まずいっ!」
俺はすぐにGを抱き上げてトイレの方に走った。
しかし、時すでに遅しで、Gはトイレのドアー前でジョバーとおもらししていた。
こんな感じで、息子Gは日本語が分からないので「プレゼント」と言えず、
「ペレレント」と発音していた。(笑)
息子が5才の時にこの状況を母(2015年に他界)に電話で伝えたら;
母 「自分の孫と日本語で会話できないなんて、どういう事よ(怒)」
俺 「まあ、そう言われましても・・・(汗)」
母 「とにかく家に連れてきて!」
俺 「はい、分かりました。子供達が夏休みになる7月に連れて帰国します」
この後、俺は2ヶ月間子供達を兵庫県の実家に預け、8月末に引き取りに行ったら、
息子Gは「関西弁」がペラペラになっていた(笑)
2010年から俺は元嫁と別居を始め、2012年から離婚協議状態になった。
その間子供達は元嫁と行動を共にしていて、元嫁から「俺とは一定の距離を取るように」と指導されていたようだ。
この頃から息子Gは俺に誕生日のペレレントを求めなくなった。
最後にGから誕生日ペレレントの要望が来たのは確かGが11才位の時で、贈ったのは「ガンダムのプラモデル」だったと思う。
以降、娘RにはLineを送ると3回に1回位は返信が来るが、息子Gからは4年に1回位しか返事が来ない状態が続いていた。
◆8月初旬
例年通り(ダメ元で)LAにいる息子にLineを送り「誕生日のお祝いメッセージ」と
「何か欲しいものがあれば送るから教えてね」と伝えた。
ここ10年間息子からの返信はほぼ無く、
たまに返信があっても「特にない」という短い文章のみだった。
しかし、意外にも今回は10年ぶりに「具体的な要望」が来た;
俺 「誕生日おめでとう!!
プレゼントに欲しいものがあれば送るから教えてね。
君も21才だね。
今年君は何にチャレンジするのかな?
パパは21才9ケ月の時に大学を1年間休学し、
ヨーロッパの西側(*1)、北アフリカ(*2)、小アジア(*3)を1年間放浪旅行をしたよ。
この時の経験はパパの人生を加速させる宝物になったよ。
<注>
*1: 1982年当時世界は冷戦時代で、ヨーロッパの東側(東ドイツ、ポーランド、ハンガリー、チェコスロバキア、ウクライナ、ベラルーシ、等)はソ連陣営だったので、
日本人学生が自由に旅行する事はできなかったんだよ。
*2: モロッコ、エジプト、(つまり、キリスト教ではなく、イスラム教のエリア)
*3: トルコ、(ここもイスラム教のエリア)」
息子 「ありがとう、それならハイキング用の大容量のバッグがほしいです。
40~50Lの」
俺 「OK、ハイキング用バッグか、いいねー。
色・デザイン・機能・等色々あるようだから、Amazonの中で
君が気に入るものを探して、どれがいいのかを教えてね」
翌日息子から返事が来た;
息子 「たくさんレビューを読んだ結果、これが一番だと思います」
俺 「そうだね、これは良さそうだね。
(初めて聞くメーカーだから全く分からないけど、とりあえず相槌を打つ)
色はグレーかな?
『送付先の住所』と『君の携帯電話番号』を教えてね、EMSで送る時に必要だから」
息子 「姉と同じCA(カリフォルニア州の意味)です」
翌日俺から返信した;
俺 「Farpoint 40をネットで購入する為に以下の3つのサイトを調査してみた。
1) Osprey.USA
2) Amazon.USA
3) Amazon.Japan
結果は
1) 商品は欠品中
2) 商品は欠品中
3) 商品は在庫あり
確認:
Q1. USAの市場ではFarpoint 40は不足しているようだけど、この状況はいつから発生しているのかな?
Q2. 君はFarpoint 40を使用するのはいつの予定なのかな?」
息子 「Supply chainは中国とのいざこざのせいで長い間(去年から)問題でした。
この鞄は大学(9月19日から)に持っていくつもりです。
友人と車を借りてハイキングに行くときがあるので、その時使うと思います」
俺 「そうですか。
元々は、OspreyはCAの会社のようなので、
数週間様子をみてFarpoint 40の在庫が戻ってたら、
「2) Amazon.USA」でオーダーして、
Gの指定のCAの住所へAmazon.USAから直接配送してもらおうと思っていた。
しかし、Gの情報通りに「Supply chainは中国とのいざこざのせいで長い間(去年から)問題」
なのであれば、今後在庫が戻る迄に数ヶ月かかるかもしれないから、この案は止めた。
代案として、
Amazon.USAで当分在庫が戻らない可能性を想定して、
「3) Amazon.Japan」でオーダーして、一旦京都で受け取って、京都からEMSでCAへ郵送する方法にするよ。
今後の手順は、
・今日Amazon.Japanにオーダーしたから10日以内に京都に届く予定。
・パパは8/25-9/1日の間京都にいないから、CAへ郵送できるのは9/2日以降になる。
・通常EMSは日本→CAに1週間で届くけど、今はコロナでUSAの物流が混乱しているようなので、
去年の12月にRちゃんへ送った時は2週間位かかったみたいだね。
・そうすると、CAに到着は9/19日迄にギリギリになるかもね。
君の意見は?」
息子 「それでいいと思いますよ。
万一時間内に届かなくても姉から大学に送ってもらえるので」
俺 「了解。
じゃあ、その手順で進めるよ」
◆9月初旬
到着したバッグに俺の好きな「新潟醤油せんべい」もおまけで追加して梱包した。
最寄りの郵便局に持ち込み、EMS(国際スピード郵便、追跡サービスあり)で送ったら、
送料はなんと10,040円だった。
19,000円の物を送るにはちいと高価過ぎるかな?とは感じたが、
10年ぶりの息子からの要求だから仕方ない(苦笑)
帰宅してすぐに息子にLineで通知した;
俺 「今日15時EMSで郵送したよ。
通常7-10日後に到着する見込みだって。
それ以上遅い場合は添付写真の「Item Number」で追跡してみてね。
無事到着したら、必ず連絡してね」
息子 「誕生日プレゼントありがとうございます。
届いたらまた知らせます」
◆9月中旬
EMS送付から9日後、息子からLineが来た。
息子 「ちゃんと届いたよ。ありがとう。
大学で使ったときまた写真など送ります」
俺 「無事届いて良かったね。
写真楽しみにしているよ!
ところで、
新潟せんべいの味はどうだった?」
息子 「とても美味しかったですよ。
もう食べ終わりました」
俺 「そうか、
それは良かった!
パパもこのせんべいは好きだよ」
娘Rもこの手の醤油系せんべいが好きなはずなのに、何も言って来ないのが不思議だったので確認のLineを送ってみた。
俺 「Rちゃん、Gへ送ったバッグに醤油せんべいも入れておいたけど、この味どうだった?」
娘 「今大学の研修でフロリダ州に来てるから、まだ食べてない」
俺 「そうか。
(Gは『もう食べ終わった』と言ってたから、残っていないだろうな。残念だったね) ハハハ」
娘Rが帰宅して、好物の醤油せんべいが残っていないのを発見し、
息子Gを問い詰めている状況が目に浮かぶ(笑)
ちなみに、Rは空手黒帯だ。