俺は2.5年ぶりに海外旅行に行った。
◆31日
18時、無事カムラン空港に到着し、ホテルのコンシェルジュが手配した「白タク」への支払いも「定額35万VND」で問題無く終わった。
余った現地通貨を使う為、空港ロビーのカフェで最後のフォーを食べた。
ここのフォーもめっちゃ美味かった。
ベトナム恐るべし!
ベトナム航空の国内線でチェックイン後、登場ゲート付近で余ったVNDでドリアン饅頭80,000VNDを買った。
我々のハノイ行きフライトは何故か出発が35分遅れ、登場ゲート周辺の長椅子は騒がしい家族連れのベトナム人旅行客達で満員状態だった。
外国人と思われる搭乗客は、ロシア人男性とベトナム人女性のカップル(50代位)、髪を青とピンクに染め腕に大きなタトゥーのある肥った白人女性1名(20代位)、韓国人のカップル(20代)だけで、日本人は全くみかけない。
市内でよく見かけた韓国人中年夫婦のグループツアー旅行者達(40代位)がいないのは、仁川空港へ直行便が飛んでいるそうなので、たぶん国際線ビルに行ったのだろう。
彼女 「国内線の出発が遅れた場合、国際線に乗り遅れる事は無いの?」
俺 「元々、我々のハノイでの乗り継ぎ時間は120分ある。
更に我々は帰りの搭乗券を『カムラン→(国内線)→ハノイ→(国際線)→関空』の連続で発行してもらったから、航空会社も『乗り継ぎが必要な乗客がいる』事を認識しているはずだ」
彼女 「そうなんだ・・・。
でもここはベトナムだよ」 (普段通り、心配している)
俺 「確かに・・・。
今回は『日本政府によるPCR陽性搭乗客への登場拒否の指示』があるから、万が一我々にもPCR陽性が出て、帰国便を変更しないといけない場合も考慮して、LCC(ローコストキャリア)ではなくFSC(フルサービスキャリア―)にしたから、大丈夫だよ、多分。ハハハ」 (言ってる自分も自信がなくなってきた)
23時にハノイ空港に到着したら、接続フィンガーの付け根の所に「Transfer」と書いた看板を持った女性職員2名がいたので、乗り継ぎの国際線搭乗券を見せたら、職員が持っていたA4の名簿には我々の名前が書いてあった。
俺 「(名簿を指さして)我々はこの2人です。国際線への乗り継ぎは間に合いますか?」
地上係員A 「了解です。私について来て下さい」
この係員の後について、我々は速足でシャトルバス乗り場へ向かった。15分程待って漸くシャトルバスがやって来た。
係員A 「このシャトルバスで国際線ビルへ行けるので、そこで次の便に搭乗して下さい」
俺 「え、あなたは一緒に行かないの?」
係員A 「大丈夫ですよ。ニコッ」 トランシーバーで誰かに状況を報告していた。
彼女 「笑ってごまかされたね」
俺 「やれやれだぜ」
我々の国際線搭乗券には「登場開始時間は23:30」と明記されていて、あと15分しか残っていなかったのに、結局鈍いシャトルバスに乗り二人だけで国際線ビルへ移動する事になった。
国際線ビルでは予想通り「手荷物検査→パスポートコントロール」ではベトナム人旅行者達で大渋滞していた。
仕方ないので一般の列に並ばず、フライトクルーや障害者や子供連れだけが利用できる「プライオリティ」の列に並んでみる事にした。
搭乗券の「登場開始時間は23:30」を係員に見せながら「ノー タイム」と叫びながら突き進んでみた。
この方法が思いの外うまく行き、23:25に搭乗口にたどり着く事ができた。(笑)
しかし、我々のフライトは何故か20分遅れで出発した。
俺 「これならば急ぐ必要はなかったのに、早く言ってよー・・・」
彼女 「ここはベトナムだよ。ウフッ」
機内で「日本入国時のコロナ監視アプリMySOSのダウンロード手続きについて」の用紙が配られていたが、とても分かり難い記述なので最後まで読まず、寝た。
◆1日 関空入国でやられたぜ:
6時40分定刻に関空に到着。
これなら7:50発の京都駅行きリムジンバスには余裕で乗れるから、11時に予約しておいた鍼灸整骨院には余裕で間に合うはずだ。
関空到着エリアでは地上係員の誘導に従い移動し、検疫のコーナーで「体温」を自動で測定された。これはいつもと同じだ。
次にいつもと違うルートを進み「コロナ用の特設コーナー」へ行くように言われた。
1)特設コーナー1: 質問票
何故か外国人風の女性係員Aにたどたどしい日本語で指示され、ベトナムで苦労して手に入れた「PCR陰性証明書」を見せた。
次にスマホで厚労省の「新型コロナウイルス感染症対策 質問票」をダウンロードさせられ、幾つかの項目を記入したらQRコードが作成でき、係員がQRコードリーダーでPCに読み取っていた。
そして「ワクチン接種回数」の欄に0回と記述したら黄色のA4用紙「Health Card」を渡され、
次の特設コーナーへ行くように指示された。
!注: 後で分かったが、ワクチン接種回数が3回以上の旅行客は水色のA4用紙を渡され、そのままパスポートコントロールに進み入国手続きが完了するそうだ。
2)特設コーナー2: MySOSアプリ
ここでは殆どがベトナム人搭乗客で、日本人は我々2人だけだった。
またもや外国人風の女性係員Bにたどたどしい日本語で「スマホを準備するように」と指示された。
隣席の女性係員Cは流暢な英語でベトナム人旅行者達に指示をしていた。
我々は指定されたQRコードを自分のスマホで読み取り厚労省指定の「MySOSアプリ」というものをダウンロードさせられた。
このアプリへも自分の「住所・氏名・電話番号、等」を入力するように言われた;
俺 「特設コーナー1で指定用紙に『住所・氏名・電話番号、等』を記入した時に、係員AさんがPCに入力していたようだけど、
どうしてそのデータを使用しないで、再度自分のスマホに入力しなおす必要があるのですか?」
係員B 「スミマセン、2ツノ アプリ レンケイデキテ イナイデス」
俺 「(厚労省の役人、使えねー)
日本語が上手ですね」
(俺は日本語の片言を話す外国人に質問する時には、まずこう言って相手を褒める事にしている)
係員B 「アリガト ゴザイマス」
俺 「どこから来たのですか?」
係員B 「中国デス」
俺 「そうですか。毎日大変な仕事ですね」
係員B 「ハイ キョウハ コノアト14ノ ビンガ アリマス」
俺 「頑張って下さいね」
係員B 「アリガト ゴザイマス。
キョウカラ 5ニチカン コノアプリデ マイニチ カンシサレマスノデ
コノセツメイショヲ ヨンデオイテ クダサイ」
俺 「(めんどくさいなー、全く)
はい分かりました」 (こんなもの読む気は無いが、とりあえず返事しておく)
3)特設コーナー3: PCR検査
指定された次の特設コーナーで女性係員D(女性、50代)にPCR検査をされた;
係員D 「ここで、この黒い線まで唾液を入れて下さい」 (日本語はネイティブのようだ)
半個室に入り目の前に貼られた「梅干し、レモン」の写真をみながら、唾液を容器に入れさせられた。
俺 「(指定の線まで貯まったので女性職員に)これでいいですか?」
係員D 「まだ足りません。泡の部分は含めないので、もっと入れて下さい」
俺 「(めんどくせー)
ハイハイ。
これでどうですか」 (最後の力を振り絞って唾液を引っ張り出した)
係員D 「OKです。結果がでるまで、次の場所で待っていて下さい」
4)特設コーナー4: 待機
ここでは既にベトナム人旅行者が数10名座って待っていた。
カウンターに黒いTシャツの係員風男性(40代と30代)が2人座って日本語で会話していた。どうもこいつが責任者風だ。
俺 「(到着後さんざん振り回されたので、日本人の責任者風の男に文句を言いに行く事にした)
すみません。ここでどれ位待てばいいんですか?」
責任者E 「大体60分位で結果がでます」
俺 「60分!!
私は今日とても忙しいから、ここでそんなに時間を使いたくない!!」
責任者E 「いやー、そう言われましても・・・」
俺 「私は政府の指示で帰国72時間前にベトナム現地でPCR検査を受け、陰性である事が既に証明されている。
なのに何故関空に戻ってからまたPCR検査を受けないといけないのか理解できない!」
責任者E 「そ・それは、ルールですから」
俺 「ほー。
どんなルールなのか、ちゃんと市民に説明する義務があるやろ」
責任者E 「えー、それはー・・・。
ベトナムでは陰性だったかも知れませんが、関空に到着する迄にどこかで感染したかも知れませんので・・・」
俺 「もしかした、ベトナムを出国後に感染した人間までをもここで探したいんか?」 (馬鹿げた言い訳に、イラっとした)
責任者E 「はい、それがルールなので・・・」
俺 「それならば、ベトナムで出国前にPCR検査をする意味が無いやろ。
全員関空で検査をすればええやんけ?」 (だんだん怒りが湧いて来た)
責任者E 「いえー、それはー・・・。
ワクチンを3回接種している方は、関空でのPCR検査は不要ですので」
俺 「ほー。
コロナワクチンには『感染後の重症化防止効果』はあるが、100%の『感染防止効果』は無いはずだが」
責任者E 「いやー、それはー・・・。
ルールですからー・・・」(汗)
俺 「市民を強制的に拘束し時間を奪う必要があるならば、市民から質問された事にちゃんと説明できるように準備しておいてくれよなー」
責任者E 「は、はい、申し訳ありません・・・」(大汗)
俺 「ところで。喉が渇いたんだけど、水はどこかにあるんや?」
責任者E 「後ろの方に自販機がありますので、ご利用下さい」
俺 「1時間待機を強要するなら、ミネラルウォーター位用意しておけばー」
責任者E 「そ・そうですよねー。
どうしましょうか・・・」(大汗)
俺 「(厚労省関係者、使えねー)
いいよ、自分で買うから」
責任者E 「はー。申し訳ありません」(大汗)
アホな担当者と話しても何も解決しないので、俺は自販機へ移動し彼女の分も含め水を2つ買った。
5)入国:
約60分後、指定カウンターにPCR検査結果を聞きに戻った。勿論陰性だった。
漸く入国検査へ進み、パスポートに入国印を押してもらった。
彼女 「私達の荷物はどうなっているのかな?」
俺 「そうだな。到着後90分以上経っているから、盗まれていないといいけどな」(笑)
彼女 「えー、困るー」
俺 「そうだよな」(笑)
我々のスーツケースを含む数10個の荷物が、荷物受け取りのベルトコンベアー3番の脇に取り分けられていて無事回収できた。多分担当航空会社の職員の仕事が増えたんだろう(笑)。
次のリムジンバスまで小一時間、到着ロビーで時間をつぶし、10:00 京都駅行きリムジンバスが発車した。結局京都駅への到着は約2時間遅れたので、鍼灸整骨院の予約は15時に変更してもらった。
◆1日ランチ&夕食:
何とか帰宅後、彼女の希望でランチは最寄りのスシローへ行き、久しぶりの寿司を堪能した。
帰りに最寄りの業務スーパーで9月なのにまだ残っていたスイカを買い、夕食はスイカをガッツリ食べた。
スイカはベトナムより日本の方が美味い!
◆関空での災難を友人に通知:
海外出張へ行きそうな友人達に「関空ので災難」をLineで以下の内容で通知しておいた。
**状況:
0. 事前にベトナム時間(計5時間)と金(検査費2500円+通訳料2500円)をかけてPCR検査をして、陰性の証明を提出。
1. 関空で、「今回の陰性証明と今までのワクチン接種の有無等々」を問診票に記述。
2. ワクチン接種0回の人は、その場でPCR検査実施。
3. 厚労相の監視アプリ「mySOS」をスマホにダウンロードし、1の内容を再度登録。
4. 1時間後にPCRの陰性が確定。
5. 今後5日間自宅で、自主隔離を義務付けられる。
**不明点:
a. わざわざ現地で0をやったのにワクチン未接種者のみ関空で2をやるのはおかしいやろ?
b. 関空で2ができるなら、日本人は現地で0は不要だろ?
c. 4で陰性が確定したのに、5の自宅隔離は不要だろ?
**友人達からの反応:
・友人N(61才、大阪在住):
効率を求めると既得権益が失われる。本能的に役所はそれを知ってるから、民間人からすると非効率な事を保身の為に維持するんやろうな。
そうすると、日本みたいに三流国になるんやな。
・友人K(男、62才、神奈川県在住):
Kさんは7月にホンマモンのウイルス感染で免疫があるのに、役人はアホですね(笑)。
聞いた話しですが、関西の地方公務員は左翼色が強烈で日本一ポンコツだそうです。当然、京都、大阪、兵庫の自治体のサービスは日本でも最下位だとか。
・友人M(男、58才、東京在住):
きっとこの一連の手続きの中に、役人が美味しくなる仕組みがたくさん隠されてるんでしょうねぇ。
**結論
やはり、役人の考える事はアホですなー(笑)
夕食後にカムラン空港で買った、ドリアン饅頭を食った。
よくある「ドリアンの粉末が練り込まれた」クッキーでは無く、白餡の中に「カットされたドリアンがそのまま」で入っていた。
これは大当たりだ!
味も想像以上で、今迄東南アジア各国で食べたドリアン系のお菓子で最も美味かった。
ベトナム恐るべし!(笑)
◆2日から5日:
毎日、MySOSアプリから「体調確認」と「所在地確認」の要求が来た。
役所の考えでは入国後5日間は自宅で自主隔離をさせたいようだ。
これは外国人旅行者への対策を、日本人にも機械的に当てはめたものだと推測できる。
体調確認には応じたが、俺にはうどん屋や配送ドライバーのアルバイトがあるので、所在地確認は無視しておいた。
関空に入国時にPCR検査で陰性が確認された日本人旅行客にまで「5日間の自宅隔離」要請か?
やれやれだぜ。