7月7日、俺は期日前投票に行った。
◆背景:
1960年生まれの俺は、政治的にはどこか1つの党には強い思い入れは無く、主に無関心だ。
しかし、「20数年も独裁政権を続ける国の大統領が隣の国への侵略を簡単に決定する」ように、
「戦後70数年経ってもほぼ1つの党だけが政権を握っている」という、ある種「独裁的」な日本政府の状態にはなんだか危機感を持っている。
◆選挙に行き始めた理由:
38才の頃(結婚後5年)、当時1才の娘と3人で海外旅行に行った。
帰国後、元嫁(上海出身、6才下)が突然「日本国籍を取得する」と言い出した。
理由は、「中国のパスポートだと旅行に行けない国が一杯あるが、日本のパスポートだとどこでも遊びに行ける」からだそうだ。
日本人の妻という事もあり、元嫁は1年後に比較的簡単に日本国籍を入手した。
その時に元嫁が言い出した。
「私にも選挙への投票通知が来たよー!!
中国では市民は直接投票に参加する事はできないから今迄選挙に行った事が無かった。
せっかく選挙権を獲得したのだから、今後私は投票に行きたい!」という事だった。
成り行き上、俺も一緒に投票に行く事になり、それからは投票に行くようにしている。
◆彼女の疑問:
4.5年前に知り合った頃、はる(現在の彼女、日本人、32才年下、当時25才)は、
「今迄一度も選挙に行った事が無い」と言っていた。
その後、俺が投票に行くのを見て、「自分も行く」と言い出し京都市に住民票を移したようだ。
俺は「一党独裁」は良くないと考え「与党以外で勝ちそうな候補者」に投票する事にしているが、
はるは「一番票の少なそうな、可哀そうな候補者に投票するんだよ」だそうだ。
前回はるが投票に行った後、俺に質問に来た。
はる 「ねえ、Kさん。
投票所では鉛筆を貸してくれて、それで候補者の名前を書いたけど、
鉛筆だと消して、書き直せるんじゃない?」
俺 「うっ、確かにそうだな。
今度聞いてみるよ」
◆俺の確認:
今回の期日前投票で京都市伏見区役所深草支所に行くと、俺の前には1人だけだった。
期日前投票はいつも空いていて人混みが無いので快適だ。
投票場所にはやはり簡易型の「鉛筆」が置いてあった。
取り敢えずそれで候補者の名前を記入して、投票した。
投票所から出る直前に監視委員の老人2人(70才位)に聞いてみた。
俺 「質問していいですか?」
老人A 「はい、何ですか?」
俺 「どうして投票用紙に書くのが鉛筆なんですか?」
老人B 「???」
俺 「だって、鉛筆だと消して、書き直せてしまうでしょ!」
老人A 「うっ・・・。たしかにっ」
俺 「通常、役所に出す重要な書類は、黒ボールペンとなっているでしょ」
老人B 「確かにそうやなー」
老人A 「わしらは、ボランティアでここに座っているだけなんで、よう分からん。
役所の人に確認してみるわ」
老人Aが席を立ち、確認しに行ってくれた。
5分程待たされて役所の係員C(男性、30代前半)が来た。
係員C 「どうされました?」
俺 「投票用紙に書き込む時に鉛筆だと、不正に書き直しができてしまうのでは?」
係員C 「いいえ、大丈夫ですよ。
投票箱にはちゃんと鍵をかけてあるし、消しゴム等は持ち込めないので、不正はありません」
俺 「不正があるか?を聞いているのではなくて、
不正出来ないように、鉛筆ではなくボールペンにすべきでは?と聞いているんですよ。
通常、役所に出す重要な書類は、黒ボールペンで記述となっているでしょ」
係員C 「なるほど、確かに・・・。
確認してみますから、お待ちください」
更に5分程待たされて係員Cが戻って来た。
係員C 「お待たせしました。確認してきました。
『公職選挙法では筆記用具の種類については指定が無い』ので、当役所では鉛筆をご提供させて頂いています。
それに、開票時に消しゴムは持ち込めませんし・・・」 そこにこだわっている。
俺 「ふーん、
それじゃあ、自分でボールペンを持って行って、それで書いてもいいんですね?」
係員C 「はい、問題ありません。
それに投票箱は開票作業をする時まで厳重に管理されていますから不正はできませんし」
俺 「(そこは聞いてませんが・・・)
そうですか、理解しました。次からは自分のボールペンで書くようにします。
大変勉強になりました。ありがとうございます」 丁寧にお辞儀した。
翌日、はるに事の顛末を伝えた。
はる 「ふーん。
じゃあ、私も黒猫の絵のついた可愛いマイボールペンを持って行こうっと」
俺 「・・・。
いいんじゃない」
何か少し理解が違うような気もするが・・・。
まあ投票に行くだけましかっ(苦笑)