4月20日から俺は配送ドライバーのアルバイトをする事にした。

 

◆背景:

・英国のIT会社とのITコンサルタント契約が1月に完了し、2~3月は自宅で休養していたら、

 体重が2kg増え、体が鈍ってしまった。やはり100%リモートワークより体を動かす方が健康にいいかも!

・次の会社とのITコンサルタント契約は6月からの予定で、それまで時間が余る。

・世の中がIT化されて在宅リモート勤務が増えても、「物流」業務はIT化できない部分が残っているのが、以前から興味がある。

・学生時代に、冷蔵車を運転してアイスクリーム(1箱50個入り)を小売店に配送するアルバイトをした事があるので、楽勝と考えていた。(当時は地図アプリもスマホもなかったので、地図の本を見ながら配送先を覚えた)

 

 

◆バイト探し:

 スマホからタウンワークで探してみると、募集が沢山あったので全部に応募してみた。

 A社: アマゾンの配送の孫請け。日給14,000円。拘束時間13時間、実働時間8時間。

     → 応募手続き完了後2週間回答が無く、こちらから電話して確認したら、「もう募集は完了済み」との事だった。

 

 B社: コープの配送。時給1200円。実働時間4時間。

     → 1週間後の面接試験の2日前に「応募が完了した」との連絡が来て、

 

 C社: アマゾンの配送の孫請け。日給15,000円。拘束時間13時間、実働時間8時間。

     → 半日間「横乗り」を体験させてもらった。60分で40個を配るペースについて行けず辞退した。

 

 D社: ヤマト運輸の孫請け。日給18,000円-諸費用3600円。拘束時間14時間、実働時間9時間。

     → 半日間「横乗り」を体験させてもらった。3時間で70個を配るペースにはついて行けた。

 

 E社: イオンの配送の孫請け。日給11,000円。拘束時間9時間、実働時間7時間。

     → 半日間「横乗り」を体験させてもらった。2時間で6個を配るペースにはついて行けた。

 

色々と考えて、E社でアルバイトさせてもらう事にした。開始は20日からとの事だ。

 

 

◆驚いた事:

 3社で横乗り体験をさせてもらい色々と驚いた事があった。

 

1. 階層構造:

  コープ以外はすべて孫請けだった。

 つまり、発注者(例:アマゾン)から1次請負会社(全国展開の大手物流会社。建設業ではゼネコン)が受注し、2次請負会社(地域毎の謎の会社。〇〇献金資金用かも??)を経由し、孫請け会社(地域毎の中小企業)が実作業を請け負っている。

この構造で1次請負会社や2次請負会社が報酬の中抜きをしているので、孫請け会社では社員に十分な報酬を支払る事が厳しく、正社員ではなく「アルバイトや業務委託」の形式で人材募集をしているようだ。

 

2. 仕分け作業: 

  1チームに割り当てられる荷物を、地域毎に担当者(5~7人)に割り振る作業。

 アマゾンでは、この作業が全てAIにより自動的に割り振りがされる。担当地域・曜日・時間帯・荷物個数が過去のビッグデータにより最適化されているようだ。逆に言うと、予想外の事態(災害・交通渋滞、等)が発生すると、当日配送分が配り切れず「持ち帰り」になる可能性もある。

 ヤマトやイオンでは、仕分けはまだ自動化されておらず、約1時間早く出勤し、各チームのリーダーの管理下で手作業(アナログ)で仕分け作業を行うそうだ。

 

3. ピン立て作業: 

  国内の地図最大手であるゼンリン社から提供された「各社専用の配送地図アプリ」上で、当日配送先の家屋を指定しピンを立てていく作業をする。

 実際には、各社から支給された専用端末(iPhone)で専用アプリを起動し、当日の配送分の荷物に貼られているバーコードをスキャンすると自動でピン立て作業が完了できる。ヤマトでは荷物を1個づつスキャンするが、アマゾンやイオンでは専用のボックスに貼られたQRコードやバーコードをスキャンするとボックス内の5~10個の荷物が一斉に登録できる。

 

4. 追加で地図アプリ使用:

  専用端末で表示される「各社専用の配送地図アプリ」では情報が足りない場合があるので、各配送ドライバー達は自分の判断でゼンリン社の汎用アプリ「GoDoor」をダウンロードし、有料(約1500円/月)で使用している。

このアプリを使うと各家庭の名称等がリアルタイムで更新され、地図上に表示されるので、誤配送を防止でき効率アップできるのだそうだ。

 

5. スマホの固定器具:

  各社で提供される「配送用の軽バン」のダッシュボードには必ず「スマホ ホルダー」器具が設置されていた。

運転中にスマホを手に持っている所を警官に発見されると最悪の場合免許停止になるので、

「必ずスマホホルダーに固定してから触る」のだそうだ。

これで年間に数回警察に捕まった人もいるようだ。

 

6. シートベルト着用:

  配送ドライバーはシートベルトを着用しない場合が多い。

 住宅街を走行して1~2分毎に下りて荷物を配るので、一々シートベルトをしていては効率が悪いのだそうだ。

勿論、住宅街を出て県道や国道を走る際にはシートベルトを締めている人もいるし、警察車両を目視するとその場で締める人もいる。その為にシートベルトのバックルは外さずにしておいて、タスキをかけるように上からかぶっている。皆さん色々と考えておられるようだ。

これで年間に数回警察に捕まった人もいるようだ。

 

7.一旦停止

  配送ドライバーは一旦停止しない人もいる。「住宅街には一旦停止が多いので、いちいち完全に止まっていらた作業効率が悪い」のだそうだ。

これで年間に数回警察に捕まった人もいるようだ。

 

8. 制服

  上着は各孫請け会社から貸与される。

 ズボンは各自で用意する。注意事項は、「色は黒か紺色で、サイドポケットの無いもの」とのアドバイスを受けた。「サイドポケットに物を入れた状態でお客様の家に荷物を届けると、壁や家具に傷をつけてしまう恐れがあるから」なのだそうだ。

産まれて初めてワークマンに行き購入した。

 

 

これ以外にも色々と「驚きと発見」があり、俺の「ボケ防止」にも効果が期待できそうだ(笑)