3月12日に俺は包茎手術を受けた。

 

◆背景:

思春期の15才の頃、自分のペニスが「仮性包茎」という状態だと知った。

包茎には真性と仮性があり、

真性は「病気なので早期手術が必要で、医療保険が適応され泌尿器科で手術できる」が、

 

仮性は「日本人の70%はこの状態で、病気ではないので手術をしなくても構わないし、手術する場合は医療保険は適応されないので整形外科で手術する」

 

ちなみに、外国人は90%が仮性包茎で、「割礼」という宗教儀式で幼少期に包茎手術をする国もある、

と知って、その後特に気にせずに今迄きた。

セックスにも不自由は無かったし、子供も2人できた。

 

しかし、還暦前から体に色々とガタがき始めた。

・ペニスの皮がダブついて亀頭全体を呑み込むようになった。

  

・尿の切れが悪くなり、小便後に座椅子に座ると数滴の尿漏れが発生するようになった。

・自宅で風呂に入るのが面倒になり、週2回だけスーパー銭湯に行き大きな浴槽にゆっくり浸かるようになった。

・尿漏れが包茎内部に溜まり、2日以上風呂に入らないと皮をめくった時に「壊れた駅の小便器」のような腐敗したアンモニア臭がするようになった。

 

 

◆目的:

今回46年ぶりに手術に踏み切った理由は;

今後15年以内に、(以前交通事故で頭蓋骨骨折した後遺症で死ななかった場合)、俺は父のように「呆け老人」になって介護施設に入り、他人に介護される状態になると思われる。

 

その際に、「包茎でアンモニア臭のする不清潔なペニス」を誰かに洗わせる事を考えると、たとえ仕事とは言え「介護の方々に大変申し訳ない」気がする。

 

父がそうだったが、呆けが始まるとその「申し訳ない気持ち」も分からなくなるだろうから、今のうちに自分ができる事をやっておく必要を感じた。

 

還暦過ぎてこんな事になるならば、20代の時に手術しておけばよかったかも。ハハ。

 

 

◆病院選び:

ネットで検索し、大手3医院に絞り込んだ。

京都市内で受診でき「切らないで縫うだけの手術も可能」という理由で

「Tクリニック」にWebで予約した。

 

翌日、Tクリニックから電話が来た。

「京都院は3月は12日か26日しか開業していないので最短予約では12日18時です。

大阪クリニックは毎日開業しています」との説明を受けた。

大阪まで出かけるのは面倒なので、12日18時@京都に確定した。

「治療時間は通常2.0時間位を予定しておくように」との事だった。

 

 

◆手術当日:

 気温が20℃まで上がったので、バイク出でかけた。

予約した18時の1.5時間前にクリニックから電話がきた。

「前の患者が早く終わったので、可能であれば早めに来て下さい」との事だ。

早めに出発し、久しぶりにJR京都駅地下で讃岐うどん「九十九うどん」で鶏天うどんを食べ、

Tクリニックには17:40に到着した。

 

 

◆手術の手順:

手順は以下の5ステップだった。

1.診察: (5分)

   医師A(男性、50代後半、物腰が穏やか)がペニスを診察し、どの手術が適応可能かを判断する。

 

2.カウンセリング: (20分)

   医師Aからどのような項目の手術が選択でき、金額はいくらになるのかの説明を聞く。

 俺  「切らない縫合だけ」の手術は可能ですか?

 医師A 「いいえ、あなたの場合は皮の余りが多いので、切る必要があります」

 俺  「残念・・・」

 医師A 「大丈夫ですよ。20才から80才位まで色々な患者さんが切除手術を受けられます」

 俺  「えっ、80才が! 何故?」

 医師A 「衛生面の問題ですね」

 俺  「なるほど、(同じ様な事考える老人がいるんだ・・・)」

 

3.手術内容を確定: (5分)

   自分で手術の項目を選択する。

医師Aが勧めてくれた3項目;

「環状切除術(環状に切除し吸収糸で縫合)。6万円」

「亀頭直下デザイン縫合(切除ラインを亀頭下に調整、傷跡が見えにくくなる)。10万円」

「小帯形成(裏筋を綺麗に調整する)。9万円」

のうち、

俺は「環状切除術」と「亀頭直下デザイン縫合」の2項目計16万円を選択した。

(16万円あれば、タイでスキューバダイビングできるなー。でもコロナワクチンを接種しなかったから、まだダメかー)と考えたりした。ハハハ。

 

4.手術: (20分)

   ベッドに横になり、医師Aから顔に布を置かれるので手術は見え無い。

俺  「手術は何人でやりますか?」

医師A 「2人です」

部屋の奥からもう一人(医師B。声の感じは40代前半)が近づいてきて右側に立った。

(年齢的に多分こいつは助手だろうな)と思った。

医師B 「今迄手術等で麻酔を受けた事がありますか?」

俺  「それは問診票に書いてありますが」

医師B 「(イラっ)僕はまだ問診票を見てないので」

俺  「(えー。こっちは要求にしたがって、めんどうな問診票を書いたのに、ちゃんと見ろよなー。まったく)。

   あります」

医師B 「その時に麻酔に対し、アレルギーはありましたか?」

俺  「それも問診票に書いたし、医師Aにも回答しましたよ」

医師B 「(イラっ)ハハ、教えてもらえませんか」

俺  「(同じ事何度も言わせるなよなー)。

   ありません」

医師B 「分かりました。では6ヶ所に麻酔注射をしますよ」 いきなり、グサグサグサ。

俺   「うっ、い・痛い」

医師A 「大丈夫ですよ。麻酔が効くとすぐに痛みは無くなりますからね」

医師B 「では手術を始めますよ」 患部を引っ張っている。

俺  「おーい、痛いー」 マジで痛いので叫んだ。

医師B 「そうですか。では、5分待ちますか」 部屋の奥に医師Bが移動する音が聞こえた。

医師A 「人によって麻酔が効き始める時間に差がありますからね。ハハ」 場を取り繕っている。

どうやら、医師Bは助手ではなく執刀医で、俺の態度が気に入らず嫌がらせをされたようだ。ヤバい!

 

暫く目隠しされたまま、ベッドで待機した。部屋の奥から人が近づく音がした。

医師B 「では再開します。(どこかを引っ張っている)。

     痛みは感じますか?」

俺   「今は全く感じません」 手術中に再度嫌がらせされないように、丁寧に回答する。

医師B 「了解です。始めます」 

 

局所麻酔なので、俺の意識はあるが、顔に布を置かれるので手術は見え無い。

痛みは全く感じ無いが、引っ張られたりしているのは振動で分かるし、

後半では髪の毛が焼けるような匂いがしたので多分レーザーメスを使っているのだろうな、と想像していた。

 

5,術後の手当: (5分)

   医師Aが手術部を見せて、包帯の巻き方を教えてくれた。

受付で抗生物質と痛み止めを飲み、その後の手当方法の説明を聞いた。

俺  「結局切り取った皮は3cm位ですか?」

医師A 「いいえ、もう少し多かったですね」

俺  「なるほど。

   髪の毛が焼けるような匂いがしましたが、レーザーメスですか?」

医師A 「はい、あれは止血処理です」

 

 

6.その後の手当: (5分)

   受付に移動し、若い男性から説明を聞いた。(女性がいると若い患者が恥ずかしかるので、オール男性にしているのだそうだ、やれやれ)

・再来院して手当や抜糸は不要。

・抗生物質を5日間摂る。

・消毒と包帯交換を7日間自分で実施する。

・6日以降は飲酒も可、8日以降はバスタブにも入浴可能。

・約1ヶ月後には縫合糸が自然に取れるのでセックスも可能。

との事だ。

 

結局、クリニックに到着し出る迄の時間は計60分だった。

俺が出る5分前には次の患者(20才前後、大学生風)が来て、問診表を記述していた。

 

 

◆手術当日夜:

 19時過ぎ、バイクでの帰り道に小腹が空いたので、地元のスーパーフレスコに立ち寄って、レトルトの中華スープと玉子を買って、

自宅で消化のよさそうなスープを食べた。


しみじみと観察してみたが、包帯でグルグル巻き状態の「白い物体」は尿道部だけが露出しているので小便には不自由がなかった。

 

21時半頃、自宅で患部が痛み出した。

クリニック受付で「痛み止め薬」を飲んで3時間経ったので、痛み止め薬をもう一度のんでみたが、

座っているだけでもズキズキと痛みが増加してきた。

仕方ないので受付でもらった「痛み止めの座薬」を肛門に入れてみた。初体験だった。

 

その後、就寝前に抗生物質をのみ、痛みを感じながら23時過ぎには寝た。