◆韓国から直行便(4) それ忘れるかー?
 7月中旬、今日も16時に韓国からのレンタル客が2人で来た。

男Pさんは30歳前後、痩せ型、歌舞伎の女形のような繊細な容貌、物腰も柔らかい。
女性Lさんは同年代、小柄、童顔、しかし性格はキツそうな感じを受けた。 

こんなカップルだった。
空港からオフィスへの送迎時に送迎車で俺が確認してみた;

俺 「にほんご? English? どっちがいいですか?」

Pさん 「にほんご、おねがいしまーす!」

俺 「了解です」 
(おおー、日本語を勉強したんだ、見かけによらず偉いなー)

オフィスに到着し、レンタカー貸出内容の説明時、再度確認してみた;

俺 「カー・レンタル契約書は日本語? English? どちらがいいですか?」

Pさん 「English!」 

俺 「えっ、(そうなのか?) OK、これを読んで最期の行にサインして下さい」 英語版の契約書を渡した。
(見かけによらず英語もできるんだ・・・)

Pさんは二つ折りの高級スマホ(たぶんサムスン電子製)で英文契約書を撮影し、翻訳アプリで韓国語に翻訳していた。その間女性Lさんは全く興味が無いみたいで自分のスマホをいじって遊んでいた。 
 
貸出手続き中に判明した事実は、PさんもLさんも日本語はおろか英語もまともには理解できていなくて、翻訳アプリ&通訳アプリ一択状態の海外旅行者だという事だ。
実際に、自動車保険の詳細条件の説明等が日本語と英語の資料で準備してあるのだが、Pさんの要求により「俺が彼のスマホに内容を話しかけて」通訳アプリで韓国語に通訳させたりしていた。これを何度も繰り返したので、普段の客より余分に時間がかかってしまった。

ようやく、説明が終わり、貸出車両まで案内してキズの確認をして、貸出手続きが完了した;

俺 「これで貸出手続きは全て完了しました。何か不明点等ありますか?」 最後に念を押しておいた。

Pさん 「OK。ノー・プロブレム!」 この程度の英語は話せるようだ。

俺 「スーツケースを忘れずにトランクに入れて下さいね」
2人で大き目のスーツケースを1つ持ってきたみたいだ。オレンジ色なのでよく目立つ。

Lさん 「$#%&“@‘&%」 突然、韓国語で何か主張していた。
そして車両の横でスーツケースを開けて中身を整理しだした。

Pさん 「ノー・プロブレム!」

俺 (どうやら、Lさんがスーツケースから何かを取り出したいようだ。このタイミングでそれをやるかー?? わがままやなー!)
「では、お気をつけて行ってらっしゃいませ」 軽くおじぎをして、俺はオフィスに戻った。

5分後にPさんたちの乗った車が出発して行った。

1時間後、次のお客様を迎えに行く為に外に出たら、丁度Sさんが戻って来た。

Sさん 「お疲れ様です。
ところで、このスーツケースは何故ここに置いてあるのですか?」
Pさんの車の有った位置に例のオレンジ色のスーツケースがポツリと取り残されていた。
 
 
俺 「?? おおー! 彼らは結局スーツケース置き去りにしたんだー。
  ハイシーズン中で、だだでさえ忙しい日なのにやらかしてくるよなー!」

Sさん 「韓国のお客様ですか?
  スーツケースを置いたままなんて、すごくないですか!」
(作業忘れで毎週のように注意されているSさんだが、他人のミスには驚いていた!)

俺 「そうですよね。かなり『ゆかいな仲間達』の二人でしたが。
  まさか1つしか無いスーツケースを置いたままで出発するなんて・・・」 とほほだぜ

すぐに「予約時に登録されているPさんのメルアド」に英語でeメールを送信しておいた。
「あなたのスーツケースをオフィスで預かっています。17:50までに取りに来て下さい。
 18:00にオフィスは閉めます。よろしくお願いいたします」

18時Pさんから全く連絡が無い。
Sさんとどうすべきかを相談してみた;

俺 「Pさん全く返信が来ないですね。eメール全然見てないですね。」

Sさん 「出発して2時間近く経過しているのにスーツケースが無い事に気が付かないのがすごいですね!」
(人間は自分のミスには気づかなくても、他人のミスは良く見通せるものらしい。ハハハ)

俺 「このまま、オフィスに預かる事は可能ですが、夜の洗面や着替え時に気づいで大騒ぎするのでしょうね? ハハ」

Sさん 「Pさんの貸出時の書類にホテルの住所が記載されていますね。宮古島市平良西里xxx番です」

俺 「あー、たびのホテルとかいう新しいホテルでしょうね」

Sさん 「(Google Mapで検索して)そうですね。そのホテルのようです。
  俺の自宅に近いので、帰りに届けておきましょうか?」

俺 「それも1つの方法ですね。
  念のためホテルに電話して『Pさんが確実に宿泊しているのか?』を確認してみて下さい」

Sさん 「そうですよね。
   ・・・。
はい確認が取れました。フロント係の人に『今からお客様の荷物を届けます』と伝えておきました」

俺 「素晴らしい! 

        では宜しくお願いします。念のためPさんへはメールで通知しておきますから!」
こうして、1日の業務が終わり、俺は仔猫たちが待つ古民家に戻った。


翌朝、定刻通りSさんが出社してきた;

俺 「おはようございます。昨夜のスーツケースはどうでしたか?」

Sさん 「18:30頃にホテルに届けましたよ。その時はまだチェックインされてなかったようですが。
その後、19時過ぎにPさんたちがうちのオフィスに来たそうです。
Cホテルのフロントの人が『あなたのホテルに届けたよ』と言ってもらったので、直ぐに出て行ったそうです」

俺 「全然メール見てないんだ」 やれやれだぜ。


2日後、予定の返却時間にPさんがやってきた;

俺 「お疲れ様、天気が崩れなくてよかったですね」 2日後に台風3号の接近が予想されていた」

Pさん 「はい、そうですね」
例のオレンジ色のスーツケースを車から降ろして、送迎車に積み替えようとしていた。

俺 「おおー、これは『あのとても大事なスーツケース』ですね。ハハハ」

Pさん &Lさん 「あー、アリガトゴザイマース」 照れながら笑ってごまかしていた。
やはり、自分達のやらかした事に少しは恥ずかしいと思う気持ちがあるようだ。

同じ認識が持てる人種でよかった!  ハハハ。



◆路上でエサやり
 俺は元来犬派なのだが、離島では近所の猫たちと仲良くする事になった。
最近、仔猫たちも増えて、俺も忘れがちなので続柄をまとめてみた。
 


5月から俺はある出来事がきっかけに出勤時にバイクを留めてある猫の公園②から「なわばり③(以前まゆげが仕切っていた場所、俺の古民家①から約30m)」


へ移動し、バイクを停めて、第3グループの仔猫たちにエサをやるようになった。
(詳細はブログ「あこがれの離島生活(58) 離島でエアコンが壊れた」 参照下さい)

元々ここにいた9匹の猫のうち、現在は;
・まゆげ(雌)は、24年1月に虹の橋を渡った?
・黒2(雄)は、顔が大きくなって、周囲を徘徊している?
・小トラ(雄)は、縄張り①に移動して、俺の古民家周辺でヌクヌクと内弁慶。
・黒3(雌)は、農園に養子にでて、その後虹の橋を渡った。
・八ワレ3(雌)は、ここに残って、4月にTNR手術を受けてさくらみみに。
・黒4(雌)は、ここに残って、毎朝餌を食べに来る。
・ミケ4(雌)は、俺に噛みついてから最近現れなくなった。多分虹の橋を渡った?
・マロン1(雄)は、ここに残って、毎朝餌を食べに来る。
・茶トラ4(雄)は、ここに残っていたが、早い時期に虹の橋を渡った。

で、八ワレ3と黒4とマロン1の3匹だけになっている。 
多分ここの縄張り③ではエサが充分もらえないのだろう。


5月下旬、俺が縄張り③で毎朝数匹の仔猫達にエサをあげてたら、小路の西側(なわばり④)から新しい猫がなわばり③に出て来た。
 


この子は、「ミケ5: 雌、多分23年10月生、外見や体型が白ミケによく似ているので白ミケの親族かも」。
おそるおそるミケ5が近づいてきて、「私にもエサをくれー」と訴えていた。
その場で縄張り③の仔猫たちが、ミケ5を拒絶したので、別のグループだと判明。その時は猫たちのルールにまかせて放っておいた。

6月初旬、何度かミケ5が来たので、俺は道の反対側(つまり縄張り③の外側)でミケ5にもエサをやってみる事にした。
ミケ5は一所懸命に哀願してエサを求めていた。


かなり痩せていたので、この近辺ではエサは充分ではないようだ。こうしておれは縄張り④でも仔猫にエサをあげる事になった。

7月初旬、ある朝ミケ5と一緒に別の仔猫もやってきて大きな声で鳴きながらエサを求めていた。
その子は、「茶トラ7:雌、多分24年4月生、ミケ5の子供?」


茶トラ7はかなり痩せて飢えているようだ。目ヤニで目が半分位固まっていた。
縄張り③の他の仔猫に威嚇されてもひるまずにグイグイと前にでて、一心不乱にエサを食べていた。
その後毎日茶トラ7をみかけたが、ドンドン痩せて元気がなさそうだった。

3日目朝、茶トラ7にもエサをあげて出社。夕方帰宅時に縄張り④に駐車してある車の下で茶トラ7が大声で周囲に哀願していた。その時俺は手持ちのキャットフードがなかったので、バイクでスルーした。

 

うちの古民家までついて来ればいくらでもエサをあげれるのだが、猫社会のルールがあるようで、別のなわばりには入りたがらないようだ。

翌朝、気になっていたが、遂に茶トラ7が朝のエサを食べに来なかった。その後一切見かけない。
多分あの時虹の橋を渡る一歩手前だったのかも?
    

離島で仔猫が生き延びるのはとても大変のようだ。今度生まれてくる時は人間だといいな!