植物には、原種品があってそこから植物が改良され、さまざまな品種が誕生する。

多くの、多種多様の植物が世の中に普及している現代では、この品種の元となると原種品が、おそらくは絶滅してしまったもの、そして多くの原種は忘れ去られてしまっている、そんな気がします。

どちらかといえば、華やかでは無いものが原種には多いのかも知れません。シンプルさが受け入れられないそんな時代なのかも知れません。それでも個人的な気持ちとしては、少し寂しいと思います。

山々に囲まれた大自然、お店もない過疎地で生まれ育ったそんな思いも、重なっているのかも知れませんね。

◉バラの原種は北半球に自生します。

バラ属(Rosa)の野生種は、南はエチオピア、北はシベリアアラスカまで、北半球の亜熱帯から寒帯にかけて広く分布しています。

もし、南半球で野生のバラを見つけたらそれは誰かが持ち込んだものです。

エチオピアの野生種は、ロザ.アビシニカ(R.abyssinica)の1種で標高2000m以上の高地に自生しています。

乾燥地では、北米バハカリフォルニア(メキシコ領土)にロサ.ミニュティフォリア(R.minutifolia)が自生し、北米アリゾナ、テキサスには、ロサ.ステラータ(R.stellata)が自生します。


(ロサ.ステラータ.ミリフィカ)

◉アジア大陸の乾燥地には、ロサ.ペルシカ(R.persica)のような変わった野生バラも自生しています。


(ロサ.ペルシカ)

オオタカネイバラの仲間(R.acicularis)は最も高緯度(北緯70度付近)にまで分布を広げています。



(オオタカネイバラの仲間、ロシア産)

◆このように北から南まで、また乾燥地から湿潤な場所まで幅広く地域にバラは自生しています。

野生種の数は、分類学者によって異なってしまうが、約150種から200種ぐらいだろうと思われています。

この種の中から、現在の主要となると栽培のバラ系統に関わってきた野生種は7~8種類と言われています。