なりたいと思っていたら本当になっちゃった。その① | 時計をはずして

時計をはずして

心理カウンセラー 作詞家 せきけんじ

僕は中学1年生で「矢沢永吉」にぶち当たりました。

といっても、「矢沢永吉」ではなく「キャロル」。

その時、「キャロル」は既に解散していたので追体験という形ですね。

2歳年上の兄の部屋から流れてくる

「ファンキーモンキーベイビー」

そのイントロとリフに衝撃を受け

「バンドやる!バンドやろう!かぐや姫なんてやってんじゃねーよ!」

と仲間を無理矢理方向転換させて

3年生の文化祭では異例の60分枠で演奏を行ったのでした。

前述したように、

中一で「矢沢永吉」に出会った時、

「キャロル」は既に解散しており

「矢沢永吉」はソロ活動をスタートさせたばかりだったのですが、

矢沢永吉のファーストアルバム 「アイラブユーOK」

は「キャロル」のサウンドに陶酔していた当時のファンとしては受け入れ

がたい異質のものであり、批判も多かったのです。

しかし、僕は2ndアルバム「A DAY」に収録されている「昼下がり」タ

イトル曲の「A DAY」を聞いてそれまで抱いてきた「ツッパリ」「不

良」という表面だけのイメージの愚かさに気づかされたのです。

「なんて優しい思いやりのある、包容力のある歌を作る人なんだろう」

「あ、人がそこに居る」

そして手にした矢沢永吉の3rdアルバム「ドアを開けろ」

この衝撃はキャロルを超えました。

メロディ、アレンジ、歌詞。リアルにハートに響く歌声。メッセージ。

「矢沢になりたい」

当時の多くの若者が憧れたその中に僕も居ました。

テレビ出演を頑なに拒み、年間180本のステージを行うこれまでの芸能界の流れに逆光するスタイルは「真逆をやる」という勇気で成功を収めた日本での最初のアーティストではないかと思います。

このアルバムで確固たる「矢沢永吉」を世に送り出した彼はその後、「時間よ止まれ」の大ヒットによりロケットのように大気圏を超えスーパースターとなります。

この頃でしょうか。

「矢沢永吉の作詞家になりたい」

そう思ったのは。

ただ、そう思ったのです。

ビジョンも何もない。

なれるという何の根拠もない。

作詞 せきけんじ
作曲 矢沢永吉


クレジットに名前が表記されるイメージだけ。

夢を夢見て夢の中で夢と遊ぶ。

これって誰しも一度は頭の中で楽しんだ本当の自分じゃないのかなって思ったりするのです。

僕が矢沢永吉の作詞家になると思った、願った、夢と遊んだスタートはここからなのです。

それは全くピュアなもの。

今振り返ってみて、本当にそう思います。





何でもそうだけど、

現実となると欲が出てきたり、

余計なことに先を考えて進めなかったり。

でも、夢ってワクワクだし。

罪がないですよね。

頭の中だけだから、誰に迷惑かけるでもなし。

自分の頭の中だけで楽しめるものだし、誰が邪魔するわけでもない。

だけど、

もう今はこれだけネットが発達して好きなだけ情報を得ることができるし、

その選択肢の幅というものは当時と比較にならないくらい。

逆に選択肢がありすぎて、

「答え」じゃないのに

勝手に「不安」を感じて

やらないことを「答え」に決めてしまう

こともあると思う。

いわゆるアクセルとブレーキを同時に踏み込んでいる状態。

「これやりたい!」

という想いが大きければ大きいほど

その欲求が大きければ大きいほど

アクセル全開になるから(笑)

それを

「止めなきゃ!止めなきゃ!」

と制御しようとするブレーキも

踏み込みMAXになるわけで(笑)

「でも」

「だけど」

「失敗したらどうしよう」

そういう色んな言葉でブレーキを踏みます。

そう思ったその前の自分がほんとうの自分なのに。

その先の不安を感じたくないがためにブレーキで抑える。

「これでは自分を否定していることになりはしないか?」

と思いながらブレーキを踏む。

自分で自分と戦っている状態。

それを続けていると、そりゃあしんどいわぁ。

「ブォン」って音たてて

「ガガガー」って振動して

ボンネットから煙出して

「ガタン!!!」と衝撃が走って

「ぷっシュン~」

と見事に機能停止してしまうみたいな。

その勝手な不安(ブレーキ)

っていうのは誰が作り出しているかというと

情報を提供している人、媒体ではなく

「実は自分自身なんだ」

ということに気づかないとなかなか先に進めない。

なりたい。

その気持ちにブレーキをかける必要はないのです。

いくつになっても、

それが実現できなくても

その気持ちに嘘はないから

気持ちの中にある限り

それはピュアな自分だから

それは間違いなく

何を隠そう自分自身の一番の理解者なのです。

ブレーキをかけている自分が

「スタートしていいよ」

と言ってくれるようになるには・・・

「どうしたらいい?」

どうしたらいい?と

自分に問いかけて出た答えが答えなんじゃないでしょうか。

もっとも、夢の中で遊んでいる自分のままスタートできれば

自問自答もない楽しい旅になるはずです。

結果を求めていないですからね。