広がる3Dプリンター、「誰でもメーカー」時代到来



フィギアもレジン製ミニカーも 思いのまま ^^




 自分がデザインしたオリジナルの小物や部品を手軽に造形できる、
「3Dプリンター」がにわかに注目を集めている。


3Dプリンターは従来、さまざまな産業分野で使われてきたが、昨今の低価格化を契機に
個人にも急速に広がっている。


「誰でもメーカー」を実現する3Dプリンターの最新動向を追った。



 調査会社の米ウォーラーズ・アソシエイツによれば、2000年に世界で

約1300台だったのに対し、2011年には3万台を突破。


特に2007年に比較的買いやすい価格の個人向け3Dプリンターが売り出されると市場が
急拡大し、2011年には前年比389%の販売台数を記録した



 3Dプリンターの先行企業である米3Dシステムズの日本法人は、「3Dプリンターは、
日本円で十数万から1億円までさまざまな製品がある」


パーソナル機はハードウエアのオープンソース化によって低価格化が進行。
3Dシステムズは2012年4月、小型で格安の「Cube」(1399ドル、日本未発売)を投入


■製品の試作や少量部品生産が出発点


 もともと3Dプリンターは、1980年代末から製品のプロトタイプ(試作)や
少量の部品を自社で作れる利便性が受けて広まってきた機器。


今日では設計、製造、医療、教育などさまざまな分野で導入されている。


 米ストラタシスの製品を国内販売する丸紅情報システムズによれば、性能は
「100万円クラスの機種でも上位機と仕上がりに遜色がない」ほど向上し、
SOHOやデザイン事務所などにも市場を広げつつある。


■企業から個人へ波及


 個人で3DシステムズのCubeなどを輸入する動きも出てきた。
ロボットやプラモデルなどの部品を自作するためだ。


出力サービスの東京リスマチックでは3Dデータからの「立体出力サービス」を提供しているが、
フィギュアの祭典である「ワンダーフェスティバル」の開催が近づくと、
フィギュアの出力申し込みが殺到するという。


 企業だけではなく、個人にも3Dプリンターの理解や利用を促す拠点も誕生した。


JBCホールディングス傘下のイグアスが、東京・道玄坂にオープンした3Dショールーム「CUBE」

土曜・日曜には、同じ建物内にあるデジタルものづくりカフェ「FabCafe」とコラボして、
3Dプリンターのワークショップを開催し、人気を博している


■国内でも年内に低価格機


 CUBEの運営に参画するケイズデザインラボの原雄司社長は、「3Dプリンターは
個人に普及するほうが先ではないかと思っている」とまで言う。


自分で作りたいというニーズを捉え、店舗数が増加しているものづくりカフェの
人気と相通じる動きだからだ。


 3Dプリンターの操作方法は、実はイメージほど難しくはない。
ベースはインクジェットなどの印刷用プリンターの技術だ。


印刷用プリンターが用紙にインクを噴射して描いているのに対し、3Dプリンターは熱で溶かした
素材を徐々に積層して造形する仕組み。


3Dデータの“PDF”ともいえる標準的なフォーマットが決まっており、
互換性の問題で悩まされることもない。


 3Dデータを作るための3D CAD(コンピューターによる設計支援)ソフトを
使いこなせる人はまだ少ないが、米国では3Dデータの販売サイトも登場している。


「日本でも3Dデータや3Dデータの作り方を共有するコミュニティサイトが
立ち上がるのでは」と期待する。


10万円台のパーソナル機も2013年内には国内で発売される見込みで、
市場の盛り上がりに弾みが付きそうだ


3Dシステムズのパーソナル3Dプリンター「3D Touch」(35万円)で造形

技術的には印刷用プリンターの延長線上にあるので、使うこと自体は難しくない。


素材はABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)を使用している。
3D Touchは対応していないが、石膏や光硬化樹脂なども素材として使われる