脊髄再生医療


NHK 2013年 01月25日(金)  もう一度、歩きたい 
~常識覆す 脊髄再生医療~


岩月 幸一 医師


交通事故や転倒によって脊髄を損傷し、車椅子での生活などを
強いられている人は約6万人。


「二度と歩けない」とあきらめていた患者にとって“希望の光”
となる再生医療がいま注目を集めています。


神経を再生させる力を持つ鼻の「嗅粘膜組織」を移植することで脊髄を再生。


器具の支えがあれば自分の力で歩けるようになる患者が現れるなど
大幅な改善がみられています。



iPS細胞移植で脊髄損傷回復 小型霊長類で成功

ヒトiPS細胞移植、脊髄損傷のサル歩いた 慶応大発表


ヒトのiPS(人工多能性幹)細胞から作った細胞を、
脊髄(せきずい)損傷で手足がまひしたサルに移植して、
歩けるようになるまで回復させることに慶応大などのグループが成功した。

(日本分子生物学会発表)


慶応大の岡野栄之教授らのグループは、京都大が作ったヒトのiPS細胞から
神経細胞のもとになる細胞を作製。


サルの仲間のマーモセットに、脊髄損傷から9日目に移植した。


移植を受けないと手足がまひして起きあがれず、握力も弱いが、
移植を受けたマーモセットは、6週間後に自由に歩き回れるまで回復。握力も改善した。


経過をみた84日まで、がんはできなかった。
移植した細胞がうまく働かなくなる拒絶反応を防ぐために免疫抑制剤を使った。


岡野教授は、より安全なiPS細胞で同様の実験を行い、
人の治療に応用する準備を進めていくという。



培養細胞を「移植した際の安全性」は再生医療で最も重要な課題の一つで、
主なものとしては、感染症とガン化の問題があります。


感染症を防ぐには、培養を非常に清潔な環境で培養を行って、
雑菌が混じるこのとがないようにするのが第一です。


自己の細胞を培養している場合には、輸血や血液製剤で問題となる
他人の病気をうつされる危険性はなくなります


培養細胞のガン化はなかなか難しい問題です。


明らかにガン化して無制限に増殖するような細胞は、
顕微鏡で正常細胞と区別できますので、移植の前に
チェックすることは可能です。


しかし、元々ガンに冒されていない体から取り出した細胞を
培養した場合、その過程でガン化する危険性がどの程度あるかは、
現時点では、元の細胞の種類や培養条件ごとに事前に
十分な検討を行ってみる以外にはないように思われます