ゲーム盤上(正確にはワインボトルの中のノート片や偽書の内容)と思われる描写の部分で、戦人が
ベアトリーチェを見かけることがあります。
10/5の24:00時点で彼が見ることになるベアトリーチェは、爆弾が起爆することにより、戦人も死亡し、観測者が誰一人いなくなることで許される幻想描写だと結論できます。
しかし、戦人がその時間以前にベアトリーチェを見たことが二回ありますね。
EP2とEP4の二回です。他に、ほぼ24時という点ではEP1などもありますが・・。
それぞれ、僕の見解を書いておきます。
●Ep2で戦人がベアトリーチェを目撃したシーン
楼座、真里亞、戦人、源次の四人が生き残る。
客間で、戦人は楼座に「狼」とみなされ、銃をつきつけられながら論争になる。
その後、詳細不明の場面転換があり、
戦人は屋敷中を放浪した後、食堂で自棄酒を飲んでいる(施錠はしていない)。
ノックの音がし、戦人が応じると源次が現れて、戦人を、金蔵の書斎へ案内する。
そこには金蔵とベアトリーチェがチェスを指していた。
○解釈
戦人が食堂で全てを諦めて酒を飲んでいたなら、正常な判断を失っている・・というより、眠ってしまま(観測能力のないまま)か、酩酊状態中に楼座によって射殺されて24時をまたいでしまった可能性がある。金蔵の死亡自体が赤で示されており、また、彼を何かと見間違えることもないということも同じく赤で示されているので、彼が金蔵をみたこと自体があり得ない。よって、このシーンは幻想描写である。ここが幻想描写で描かれうる条件については、戦人の死亡、酔いつぶれて眠ってしまっていることによる観測者不在で説明可能なため、この推理を採用する。
なお、楼座との口論の最後の時点(場面転換部分)で、戦人は楼座に撃ち殺されてしまっているという回答もある。この場合でも観測者不在による幻想描写であることは変わらない。
●Ep4で戦人がベアトリーチェを目撃したシーン
10/4の24時、戦人が中庭で、頭上の2階のバルコニーに、「ホールの肖像画の魔女にそっくりな(戦人視点で)」、若い女(ブレザーベアト)が立っていた
○解釈
戦人による誤認。
雨の中、また、至近距離からは絶対に確認できない位置関係であり、具体的に視認性が低くなる条件が手掛かりとして提示されている。
また、「ホールの肖像画の魔女にそっくりな」とあるが、紗音が実在したベアトリーチェの血族であった手掛かり(EP2の楼座の証言による肖像画のそっくりの女性の実在、買収トリックは黄金を操れる人間(=初代ベアトリーチェの関係者)にしか不可能など)は十分示されており、遠目でこのように認識される蓋然性はある。
なお、うみねこで禁じられているのは「手掛かりなき他の登場人物への変装を禁ず。」であり、
「登場人物」の解釈にもよるが「手掛かりなく特定の誰かに化ける(例えば紗音が嘉音のフリをする、またはその逆)」のではなく、「元が誰だか分からなくさえすればよい」という変装まで禁じられているとは断定できない(それだと例えば顔を隠すような「変装」も禁じられてしまう)。