数字が出てくるだけで拒否反応を示し、聞こうともしない人が多い国民性だが、それが自身の損につながるので、ほんの少しでも聞く耳を持ちましょうね、ということを、あの手この手で書いた新書。

 

執筆時期が東北大震災の直後なので、原発関連の話は興味深く、森さんもある筋から意見を求められた、というのも生々しい。占い師を痛烈に皮肉った箇所が個人的には好き。これに反論できる占い師はきっといないはず。

 

 

二人の作家が五篇ずつ選んだ松本清張の短編集。日本屈指の作家は、松本清張のことをこんな風に見ているんだなと分かるので、巻末の対談が興味深い。孤独、切なさ、やるせなさといった感情が滲み出ている作品が多く、作者本人の心の葛藤が透けて見えるよう。

 

 

JR信濃町駅前の本屋さんで発掘。松浦さんの著書は久々に読んだが、良い意味であまり変わってない。意地の悪い人には「きれいごとばっかり」と思われそうだが、こういう抽象的でふわっとした言葉が好きな人も大勢いるので、これはこれで良いのかも。個人的には、読み終わった後に何も残らなかった。この人の本って、いつもこんな感じ。

 

 

派手さはないが、機能的。シンプルで落ち着く。といったデザインが印象的。日本人は好きそう。日照時間が短く、冬が長い地域なので、いかに屋内で快適に過ごすかを真剣に考えているのかも。デンマークは標高差が少なく、全体的に平坦なので自転車大国だとか、スウェーデンの北部は北極圏内に属している為、国民の9割が南部に住んでいるといったプチ情報も知れて楽しい。

 

 

映画「バッド・ランズ」の原作。2023年、徳間文庫に二番目に売れた小説とのこと。映画は観ていないが、原作とは主人公の性別が違う。オレオレ詐欺がテーマだが、途中から犯人達の逃走劇が話の中心に。口座にお金はあるのに、他人のものだから降ろせないとか、アナログなジレンマが面白い。長い話だが、新幹線でサクサク読めた。

 

 

さらば青春の光のyoutubeで発掘。

 

 

 

根拠が不明なものや、かなり「こじつけ」に近い部分が多いが、恋愛沼にハマっている女性が読んだら納得してしまうんだろうなと思った一冊。幼児性が強いかまってちゃんで、超自己中心的、自分の非は絶対に認めず、サイコパス要素が強い。クズ男の特徴をざっくりまとめると、こんな人種かと。

 

令和時代の若者って大体こんな感じじゃないの?とも思うし、そういう人は大人になっても変わらない。最後の最後で「これはあくまで著者の個人的な意見に過ぎない」と言い切ってしまうあたりに、逃げの姿勢を感じるのと、著者自身にクズ男の要素が満載だなとも思った。

 

 

 

夢を実現するには、できるだけハードルを下げて、長期的視点を持ち、日々コツコツと努力するのが最も実現性が高いということを、あの手この手で教えてくれる新書。とても簡単なことのように思うが、夢を語りながら、そんなことすらしない人が大半。根性論や精神論ではなく、淡々と「現実」だけを語ってくれるので、今までのやり方では実現しなさそうな人にはおすすめ。

 

 

横尾忠則さんが読者の相談に一問一答形式で回答し、ヒントになりそうな自身の作品も紹介するという一冊。正直に、分からないことには分からないと言うあたりに誠実さを感じた。人間とは、運命に逆らわずに生きる意味とは、と深い言葉が連発。悩みの内容はよくあることが大半だが、その答えに横尾さんをものすごく感じる。同い年の和田誠さんとのエピソードが泣けた。

 

 

これはもう完全にタイトル勝ち。中身はすごく泥臭く、昭和の熱血サラリーマンみたい。これだけの行動量と、現代のツールを駆使すれば「鬼に金棒」ということか。偉そうに語っている多くの大人よりも、実際に行動に移している女子大生の方が説得力がある。この本が売れているのが、それを証明している。

 

 

久住兄弟の過去の連載を現代に合わせて加筆修正してまとめたエッセイ集。知名度が高まってきた最近の著書とは違い、随分と乱暴な言葉遣いが逆に新鮮。味噌汁、アイスクリーム、お茶漬けあたりは共感できた。久住さんの地元である三鷹界隈のお店も知れて満足。弟さんの描く4コマ漫画も良い。