物語り② お姫様と小人 | 誰かのためにある詩

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現在一ヶ月でオリジナル詩五十作作成に奮闘してます‼

気に入ったのだけ載せてます‼読みやすいと思います!

良かったら見てください♪コメントも待ってます♪

すみません、小説作成中に付き、埋もれてって行くので、再UP「お姫様と小人」します。

心暖まるオリジナル短編ストーリーです。


読んでほっこりしてくれたり、ちょっと泣いてくれたら嬉しいです!!

コメントも待ってます!

でわ、

物語り② 【お姫様と小人】


遠い昔々のお話

あるお城にいるお姫様は

窓の外を眺めていた


窓の外は見馴れた景色

思わず 溜め息を付く


お姫様は退屈だった


大きなお城に閉じ込められている気分で

話す使用人たちは

常にお姫様のご機嫌を伺う


それが嫌で仕方なかった


今日もこの窓から見える景色に変化はない

お姫様が求めている景色は そこにない

それでも毎日 窓の外を見ていた


この日も いつものように

窓の外を見ていると…


ふと


部屋の中から微かに

物音が聴こえた


振り返ると そこには

摩訶不思議

小さな小人たちがいた


小さな小人たちは慌てて物陰に隠れた

人間に見つかると何をされるか分からない

小人たちはお姫様が見ていなかったという

僅かな可能性を願ったものの

お姫様は隠れた物陰になっている棚を動かした


小人たちは絶体絶命だと悟った


しかし

お姫様は小人たちを見て嬉しそうに手招きをした


小人たちは戸惑っていた


お姫様は子供の頃遊んでいた玩具のソファーを出して

床に置いた


小人たちはまだ戸惑いながらも

そのソファーに並んで座る


その日からお姫様と小人たちの不思議な物語が始まる


お姫様は話し相手が欲しかった

小人たちは最初はよそよそしかったものの

次第に打ち解け 自然に会話を楽しんだ


ある日


お姫様は手紙を書いていた

その手紙は恋文だった


何度か話の中に出た 

身分の違う 植木職人の男性に宛てたものだった


小人たちはそのお姫様の後ろ姿が

寂しそうに見えた


窓の外から庭を手入れする

植木職人が見える時がある

その中の一人の若者が

世間知らずと言うか

お姫様に向かって 手を振った

この行為がこの時代

どれだけ不届き者である行為か

彼は分かっていなかったのか…


しかし

それが 最初の切っ掛けとなった


次第に

2階の窓から顔を出すお姫様と

2階の高さに登った植木職人が

限られた僅かな時間の中で

少しの言葉のやり取りを楽しんだ


そして 植木職人は身分の差から

けして口にしては行けない気持ちを

紙に書いては 紙飛行機を折り

お姫様の部屋の中に投げ入れた


「愛してる」


ある日

その光景を屋敷のものに見つかり

その植木職人はこの国から追放された


2度と会うことが叶わない彼に

お姫様は手紙を何枚も書いては

破いて捨てた


そして 一枚だけ

紙飛行機を折り

窓から捨てた


誰から誰に出したか分からないように

一言

「会いたい」

とだけ書かれた手紙を


小人たちはその日の夜

話し合いをした


そして

小人たちは次の日の朝

このお城を出ていくことにした


庭に落ちた紙飛行機をみんなで持って


どこを探せば良いかも分からないまま


お姫様が破いて捨てた手紙を張り合わせ

知った名前を頼りに

彼を探すことにした


何年

何十年と歩いた

やがて

小人たちはもう歩けなくなると


自分達の子供にこの話を聞かせ

お姫様の願いの紙飛行機を託した


それが何世代にも渡った

紙飛行機は雨 風で

ボロボロになった

最早 紙飛行機の原型を留めていない

紙切れのようになっていた


しかし

どんなにボロボロになっても

手紙の真ん中に書かれた


「会いたい」


の言葉だけは

何百年経っても

色褪せることはなく 残っていた


ある日

小人たちの子供のそのまた子供の更に子供の子供の子供の子供たちは

ひとつの墓前の前にたどり着いた


間違いなく そこに刻まれた名前は

お姫様が 思った人の名


小人の一人が言った


「長い時間 お待たせしました お姫様からの手紙です」


もうお姫様も この時代にはいない


けれど

何百年前に

お姫様が心の中に思っては諦めた気持ちが

時を越えて

ようやく 彼のもとにたどり着いた


「会いたい」 


と書かれたボロボロの手紙


小人たちは彼の墓前の前で 彼に言った


「どうか 天国で お二人が結ばれますように それが私達 小人の一族が願う 願いです」




墓前の前に置かれた手紙は


ある日


突風に吹かれ 高く高く天へと 飛んで行った