2年前に、第3期スポーツ基本計画の

 

・卒業後にも運動やスポーツをしたいと「思う」「やや思う」児童の割合を 86%(令和 3年度)から 90%以上に、生徒の割合を 82%(令和3年度)から 90%以上に増加

・1週間の総運動時間(体育授業を除く。)が 60 分未満の児童の割合を 12%(令和3 年度)から半減、生徒の割合を 13%(令和3年度)から半減、

 

という目標を取り上げた。書きっぷりは変わっているが、結局スポーツ嫌いを減らそうとしていることに変わりはない。2年前の時点でどう考えても無理だと論じて、「5年後にまたしても未達成になると予言しておこう。」と書いていた。2年経ったので、途中経過を見ておく。

 

各年のデータは以下にある。

全国体力・運動能力、運動習慣等調査 調査結果:スポーツ庁 (mext.go.jp)

 

まずは、1つめ。小学生から。

数値は「思う+やや思う」の合計(%)でこれを令和8年度に90以上にするのが目標。言い方を変えてあるが、「スポーツ嫌いを10%以下にする」とほぼ同義である。

 

R3 86.0

R4 86.7

R5 86.1

 

次に中学生

R3 82.3

R4 81.7

R5 81.2

 

増加させないといけないにも関わらず、小学生はほぼ変化なし、中学生は単調減少である。非常に喜ばしい結果が出ている。変動は誤差の範囲のように見えるが、この調査はサンプル調査ではなく、対象学年の全数調査である※1。従って誤差は存在しない。

数値を見ると、減少の大半は女子が原因である。目標を達成したいなら※2 女子のスポーツ嫌いがここ数年で増加している原因を調べるのが先決だと思う。

 

 

もう一つの目標は

・1週間の総運動時間(体育授業を除く。)が 60 分未満の児童の割合を 12%(令和3 年度)から半減、生徒の割合を 13%(令和3年度)から半減、

 

というものであった。こちらは経年変化が出ているので、そのまま引用。

 

目標は60分以下(=灰色)の半減だが、小中、男女問わずに増加している。令和5年の中学生の増加が目を引く。一体何があったのだろうか(調査対象は中学2年なので、コロナの影響ではないはず)。これほど明確な結果が出ているのだから、いい加減にスポーツ庁の取り組み(具体的に何をしているのか知らないが)が逆効果にしかなっていないことを認めてはどうか。

 

 

増加させたいものが減少し、半減させたいものが増加している状況で令和8年に目標が達成できる見込みなどあるとは思えない。3年後に最終結果が出るのを楽しみにしておく。

 

 

※1 前にも書いているが、なぜ全数調査が必要なのか意味が分からない。

※2 個人的には達成すべきとは全く思わない。目標の設定そのものがナンセンスだ。