子供の社会科の勉強に付き合った。社会は世の中の変化の影響を受けやすいので、親の時代の知識のままだと誤答になるケースが他教科より多い。昔と比べて無意味に難しくなっていて気の毒に感じた問題が2つあった。
●衆議院と参議院の選挙制度
私が子供の頃に比べると格段にややこしくなっている。正確に理解している大人がどれくらいいるのだろうか。
A 私が小学生の頃(1990年代始め)
・衆議院 定数512,中選挙区のみ(定数2~6)※1
・参議院 定数252、(選挙区152,比例区100) 選挙区は都道府県ごと。比例は政党名で投票し、名簿順位順に当選。改選は半数。
B 私の大学入試の頃(90年代末)
・衆議院 定数500(小選挙区300,比例区200) 比例はブロック別(11)、政党名で投票。名簿順位と重複立候補の惜敗率で決定。
・参議院 上と同じ
C 現在
・衆議院 定数465、(小選挙区289、比例区176)比例はブロック別(11)、制度は上と同じ。
・参議院 定数248、(選挙区148,比例区100)選挙区は合区※2があり45選挙区。比例は政党名、個人名どちらも可。個人名の票数順に当選。特定枠制度あり。
参議院は非拘束名簿にして、さらに特定枠が導入されている。大人でも理解していない人がたくさんいるのではないか。合区は引っかけ問題に使えそうだ。
数字まできっちり覚えようとすると現在の数字は嫌がらせに近い。場当たり的に定数削減をしたので意味がない数字になってしまっている。(Aの参議院の252はもともと250だったものに沖縄県の2を足したもの)
●政令指定都市
1956年 横浜、名古屋、京都、大阪、神戸
1963年 北九州
1972年 札幌、川崎、福岡
1980年 広島
1989年 仙台
1992年 千葉
2003年 さいたま
2005年 静岡
2006年 堺
2007年 新潟、浜松
2009年 岡山
2010年 相模原
2012年 熊本
私は90年代に大学入試を終えたので、千葉までは覚えた記憶がある。その後は受験とは関係なく一般教養として見聞きしていたが、相模原の時に「これを受験生は全部覚えるのか?」と疑問に感じたのを覚えている※3。小学校だとさすがに20全部覚えろとは言わないようだ※4。大学入試は見ていないが、20くらいなら全部覚えろとなっているのではないか。
※1 奄美群島区のみ定数1だったが1992年に消滅。
※2 徳島+高知と鳥取+島根
※3 関西人からすると、相模原と言われても全くピンとこない。そもそも政令指定都市になる前、相模原が地理や歴史の授業に出てきた記憶がないのだ。
※4 資料に「主要な政令指定都市」と書いてあったりする。