Twitterで流れてきたのだが、収支報告書を一度でも書いたことがあれば絶対にしない誤りがあるので指摘しておく(別にこの議員の肩を持つつもりはないのだが)。

 

 

 

1か月の支出は最大でも4万3000円余で、5万円を超えていない。この事実は後々、意味を持ってくる

 

持ってこない。この団体は国会議員関係団体なので、1万円以上の領収書は支出内容の記載義務(と領収書の添付義務)がある(政治資金規正法 第十九条の十)。だからこそ5万円以下の領収書を収支報告書に記載しているのだが、何を言っているのだろうか。

 

 

 

 

https://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/SS20221125/1018600026.pdf より

国会議員関係政治団体にチェックが入っている。

 

図 アスクルの部分。1万円以下の支出は「その他の支出」に合計のみを記載する。

 

 

文具に3年で70万円支出するのは一般人には理解し難い

 

1ヶ月平均2万円程度であり、何も不思議ではない。他の政治家の事務所の収支報告書を見たことがないのだろうか。(アスクルは文具だけではなく、電化製品やトイレットペーパー、飲み物などの消耗品まで売っていることを付記しておく。)

 

 

5万円を上回ったことは1度もないという事実。そのため、当該支出の目的、購入した商品の明細は提出されておらず、我々は小西ひろゆき後援会が、アスクルから何を買ったのか知ることはできない。

 

何を買ったのか知ることはできないのは正しいが、何が「そのため」なのか意味不明だ。5万円を超えたところで収支報告書上の扱いは何も変わらない。収支報告書に記載している1万円以上の領収書のコピーは収支報告書に添付されており、請求すれば閲覧できる。明細の提出は金額に関係なく元々求められていない。明細がいるというなら政治団体に頼んで見せてもらうしかない。

 

 

ここまでが記事の誤りの指摘である。

次に記事にある「疑惑」について、収支報告書を書く側からコメントする。

 

まず、「麻布食品 政治資金収支報告書」で検索すると複数の政治団体の収支報告書に麻布食品が記載されていることが分かる。アスクルの代理店として実態があるのは間違いないと判断してよいだろう。あちこちの政治団体の代理店をしているのは、「永田町に近い」という理由だと思われる。

 

ごちゃごちゃ書いてあるが、結局3年で70万の裏金を作ってどこかに流したと言いたいようだ。金額がしょぼくてネタにするのも馬鹿馬鹿しいというのが1点。さらに裏金を作りたいなら、アスクルを利用する意味がない。記事の疑惑が事実だとすると、何が悲しくて、

 

・1万円以上の支出をわざわざねつ造して収支報告書に記載

・添付する領収書を偽造

 

するのだろうか。1回の支出を1万円以下にすれば、「その他の支出」になって、収支報告書に何も記載せずにすみ、領収書添付も不要になるにも関わらずである。わざわざ一度の支出を1万円以上にして、裏金の送金先を世界中に公開するバカがどこにいるのだろうか。

 

ついでに言えば、支出をねつ造すること自体がバカげている。この団体はパーティーなどの事業収入が500万円以上ある。年間20万くらいの裏金なら、収入を20万減らせば一瞬で用意できる。

 

参考

 

 

 

勝手に断定するのは控えるが、私が担当者ならこんな面倒な裏金の作り方はしないとは言える。

 

 

疑惑というなら、以下に示す「チャージ、598000円」の方が金額も大きい。1回1万円以下なので、どこに支出したのかさえ不明である(国会議員関係政治団体なので、少額領収書の公開請求をすれば領収書は入手可能だ)。こちらの方が怪しさは上だと思う。

 

図 政治活動費-その他の支出-チャージ で年間598000円。すべて1万円以下でその他の支出に記載。

https://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/SS20221125/1018600026.pdf より

 

(多分Suicaのチャージだと思うが)