以前にも書いたが、私はスポーツを基本的に見ないことにしている。NHKのニュース番組はなぜかスポーツコーナーが始まるときに音を鳴らすことが多い。最近は子供が私の行動パターンを認識しているので、スポーツコーナーの開始音が鳴るとテレビを消してくれるようになった※1。

 

そんな私でも時々聞いてしまう※2 のが、スポーツ選手の「夢(感動)(勇気)を与えたい(与える)」などという発言だ。聞くたびに虫唾が走る。自分で言っていておかしいと思わないのだろうか。何かを見て夢や感動を感じるかどうかは受け手側の問題だ。やっている側は「これを見て感動するだろう」と考えながらスポーツをしているのだろう。ショービジネスというのはそういうものなのかもしれないが、私には理解できない思考だ。

最近は「被災地に夢を~」などと言っているのもよく聞くが、被災地の人は全員スポーツ好きだとでも思っているのだろうか。例えば、私のような人間はスポーツ選手が何をしようが感動などしないし、夢を感じることもない。

他の職業の人はこんな意味不明なことは言わない。なぜなら感動ではなく、具体的な商品やサービスを提供しているからだ。スポーツというのは直接的には何も生み出していないので、自分のやっていることの意義を「夢や感動」に頼るしかないのだろう。
 

※1 あの音は何のために存在しているのだろうか。ほかの切れ目(例えば政治ニュースと経済ニュースの間)で音が鳴ったりはしていない。しいて言えば天気予報のはじまりで音が鳴っていることはある(NHKニュース7など)が、全部ではない。

 

※2 スポーツネタなのにスポーツコーナーではない一般ニュース扱いで流れることがあるのだ。あの振り分けの基準はよくわからない。