司法書士による失敗しない☆遺言書の遺し方☆講座 -2ページ目

司法書士による失敗しない☆遺言書の遺し方☆講座

遺言書の書き方、文例などについて、できるだけ分かりやすく解説します(つもりです)!

遺言には、大きく分けて「普通の方式」と「特別の方式」の

2つの方式があります。



「普通の方式」というのが、原則的な遺言の方式であり、

「特別の方式」とは、死期が差し迫るなど、普通方式による

遺言をする余裕がない場合に用いられる遺言の方式です。




<普通の方式によるもの>



1、自筆証書による遺言(民968)


遺言者が自分で遺言の全文、日付、氏名を書き、押印することによって

完成する遺言です。


費用がかかりませんし、証人などが不要なため、思い立ったらすぐに

書き始めることができます。


ただし、公正証書遺言のように公証人によるチェックがないため、致命

的な不備により、せっかくの遺言が無効となってしまうおそれがあります。




2、公正証書による遺言


法務大臣により任命された公証人が、遺言者から遺言の内容を聞き

取って作成する遺言の方式です。


公証人による遺言の内容のチェックや証人2名の立会いなど、作成

には手間と費用がかかりますが、偽造や変造、遺言の隠匿のおそれ

がないだけでなく、後々に遺言の内容が無効であるとされる可能性

は低くなります。




3、秘密証書による遺言(民970)


遺言の内容を誰にも知られたくない場合、遺言者自身が遺言書を

作成し、証人二人とともに公証役場において、遺言書に封印をして

もらいます。

ほとんど使われることはないと聞きますし、いまだお目にかかった

ことはありません。





<特別の方式によるもの>



4、死亡の危急に迫った者の遺言(民976)


死亡の危急に迫った者が遺言しようとするとき、証人3人

以上の立会いのもと、その1人に遺言の趣旨を伝えて筆記

してもらう遺言です。





5、船舶遭難者の遺言(民979)


船舶遭難の場合に、証人2人以上の立会いのもと、死亡の

危急に迫った者が口授することでなしうる遺言の形式です。

  

6、隔絶地遺言(民977、978)


伝染病により隔離された者や船舶中にある者が、警察官や

船長、証人などの立会いのもとになしうる遺言の形式です。



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1、子供がいない夫婦


例えば、子供がいない夫婦で、夫が死亡したとします。夫の親が

生きている場合は、妻と夫の親が相続人となり、夫の親がすでに

死亡している場合は、妻と夫の兄弟姉妹が相続人となります。


妻としては、夫婦で築いた財産の全てを当然に自分一人で相続

できる(したい)と考えるのは当然です。


しかし、現実はうまくいかないことも多いようです。


夫の兄弟姉妹に「私が相続したい(私の名義にしたい)ので、

協力してください」とお願しなければなりません。普段からよい

関係にあるのであれば、うまくいくのでしょうが、現実は、「自分

たちも相続する権利があるのだから、その分はこれぐらいもらわ

ないと・・」と言われたりすることも。




2、相続人間に様々な事情があるケース


相続人たちが普段からめちゃくちゃ仲が悪い。


相続人に行方不明の人がいる。


相続人に未成年者や身体障害者がいて、ちゃんと財産を相続

できるか心配。


相続人にいろんな意味で問題のある人がいる(こいつには一切

財産をやりたくない)。


先妻と後妻の間にそれぞれ子供がいるなど、相続関係が複雑。


など、遺産分割協議(遺産をどうわけるかの話し合い)がまとま

らない可能性が高いケース。




3、相続人ではない人にも財産を譲りたいケース


内縁の妻(戸籍上の妻でない)に財産を譲りたい。


介護などでお世話になった人(孫、息子の嫁、自分の兄弟姉妹、

友人など)に、感謝の気持ちとして財産を譲りたい。


慈善団体や市町村に寄付をしたい



4、その他特別の事情があるケース


長男が自営業を引き継いでくれているので、事業に必要な不動産

(工場や田、畑など)は長男に相続させたい(長男が相続しないと

事業ができない)。


相続人がひとりもいない(配偶者、子供、親、兄弟姉妹がいない)

ため、財産が最終的に国のものになるのはイヤ。


ある女性が産んだ子供は自分の子供であるので認知して、財産を

譲りたい。


財産があまりにたくさんあるので、相続人に全財産を把握させたい。


自分の葬儀やお墓のことについて、特別な希望がある。


ペットの世話について特に希望がある。


面と向かって言えないが、特に伝えたいことがある。



以上、ざっと挙げればこんな感じです。



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病気になって、医者から余命を宣告された時や、最近物忘れが多く

なってそろそろヤバイかなと思い始めた時に書けばいい、なんて

思われがちです。


確かに、いいキッカケではありますが、死亡する間際に書かれた

遺言書や認知症など判断能力に疑いがある時に書かれた遺言

の場合、死後、遺言の内容をよく思わない相続人から、「判断

能力がない状態で書かれた遺言であり、無効である」といった

ような主張がなされることがあります。


そもそも遺言書は、15歳になれば書くことができます。


でも、あまりに早く遺言書を書くと、その後いろいろな事情に変化

が生じた場合、どうすればよいのでしょうか?


相続人に対する感情などが変化した場合や、「不動産を長男

〇〇に相続させる」という内容の遺言を書いた後、経済的な

事情から不動産を売却する必要が生じた時は?


その場合は、遺言を書き直すこともできますし、遺言の内容に

反した処分をすることもできます。


一度遺言書を書いた後でも、新たに別の遺言を書くことによって

遺言の内容を変更したり、取り消したりすることが可能なのです。


細かい話はまた後日ということで、遺言の取消しに関して、民法

には次のように定められています。


第1022条  遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その
        遺言の全部又は一部を撤回することができる。


第1023条  前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触
        する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回
        したものとみなす。
       2 前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他
        の法律行為と抵触する場合について準用する。


なので、「そろそろ」と思った今こそが「書きどき」です。