中村けんです
11月6日(水)~8日(金)の3日間、僕が市議会で所属している厚生委員会で行政視察に行きました。
厚生委員会の所管する分野は、福祉と市民病院のため、視察のテーマもそれに沿ったものになります。
1日目の視察先は、広島県呉市。
視察テーマは、「第2次健康くれ21」についてです
第2次健康くれ21とは、健康づくりのための市の行動計画のことで、計画策定の背景として、人口15万人以上の都市で高齢化率が全国一高いということもあったようです。
第2次健康くれ21では、
市民の主体的な健康づくりの支援
地域の絆と地域協働による健康づくりの支援
生涯を通じた健康づくりの支援
という3つの方針の下、健康増進計画と食育推進計画に分かれ、各施策が推進されています。
健康増進計画においては、運動、こころの健康、たばこ・アルコール、歯との健康、健康チェック、栄養食生活の6分野を重点分野と定め、自治会やボランティアさんなどの協力も得ながら、健康づくりを推進しているとのことです。
一方、食育推進計画においては、食を取り巻く様々な問題が生じている状況を受け、市民が食を正しく選択できるよう、食の基本、食を通じての健康づくり、食を大切にする心の育成の3分野を重点分野と定め、減塩の取り組みをはじめとする食育を推進しているとのことです。
1日目は呉市での宿泊だったため、近くにあった商店街の様子も見てきました
24万人ほどの人口のまちですが、大変大きな商店街です。
※夜の7時ごろの様子のため、あまり人足が多いわけではありませんでした。
駅から近い立地という環境もあり、シャッター通りという感じではありません
2日目の視察先は、広島県尾道市。
視察テーマは、尾道市民病院における、地域医療連携や医師確保の取り組みについてです
尾道市民病院は330床(ベッド数)で、400床の西尾市民病院と比べると規模はやや小さくなりますが、共通点も多い2次救急病院です。
この病院は、簡単に言うと人事面や給与面等でより改革を断行しやすくなる、地方公営企業法の全部適用という体制をとっており、医師不足には悩んでいるものの、経営状況は西尾市民病院よりもかなり良い状況です
提供している医療という点で西尾と大きな差があるわけではなく、「がん診療連携拠点病院」や「地域医療支援病院」等の認定を受けたことによる加算などの影響が大きいのではないかということでした
また、この病院では、3年前から医師の奨学金制度を設けており、現在12名に貸与しているとのことでした。
奨学金は、尾道市民病院で一定年数働くことを条件に、大学在学時に月額20万円を貸与するという性格のものです。
今回は病院改革メインでの視察でしたが、尾道市は、地域包括ケアシステムの先進地として有名な地でもあり、尾道市における地域医療連携の取り組みについての貴重な話を聞くこともできました
※地域包括ケアシステムとは、住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供する仕組みのことです。
以下の厚生労働省のサイトで、詳しく説明がされています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/
3日目の視察先は、兵庫県芦屋市。
名称だけ聞くと、何がなんやら分かるようで分からないかもしれませんが、要はこういうことです
例えば、虐待と多重債務は、単独で見ればそれぞれ領域が異なりますが、家族という単位の中で、それらが互いに結びついて一つの問題が起こっているということは珍しくないと思います。
それを縦割りな考え方で対応していては、権利を侵害されている当人に資する支援体制とは言えず、制度横断的な支援体制が望ましいといえます
また、法的な対応が必要と思われる事案について、具体的な手続きが分からなかったり、専門家に依頼するのをためらったりする方もいると思います。
このような背景から、権利侵害への対応や権利の行使に対して社会的支援が必要な高齢者や障がい者に、相談から支援までを総合的に行う権利擁護支援センターが設置されたというわけです
今後高齢者の数がさらに増えると、それに伴い、権利擁護が必要な方の数も当然増えてきます。
オレオレ詐欺なんかは典型的な例です。
高齢者だけに限った話ではありませんが、そんな時に,、気軽に相談できる窓口があるのは大変ありがたいことです
今回、3か所の視察に行ってきましたが、先進的な取り組みがなされている組織には、キーマンとなる人材がいたり、それを可能にする風土があったりするものです
直接的なテーマについて学ぶだけでなく、その背後にあるものにもしっかり注意を向け、西尾市にも必要なものであれば、どうすればそれを導入できるかよく考えていきたいと思います。