嫉妬は愛の…11 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

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あたしは昌さんの手をパシッと払った。カードキーがパラパラと床に落ちる。


「あ、ハハ!ほら、あたし、妹。この人、お兄さん」


「みたいな者です」


「仕返し?」


「かもね」


「お邪魔みたいだな」


准はエレベーターから降りずにボタンを押した。ドアが閉まりかける。


「待って!」


すると、昌さんがあたしの腕を取って引き寄せた。


肩が昌さんの胸にぶつかる。


「え?ちょっと…なにす…っ」


准はあたしたちを睨みつけたままドアの向こうに消えた。


「あれ?なんだ。逃げた」


「ちょっと何てことしてくれるのよ!」


あたしはエレベーターのボタンを連打した。


「追っかけるつもり?諦めて、今夜はお兄さんと泊まりませんか?」


「ふざけないで!」


ああ、早く来い来い!エレベーター!准、帰っちゃダメ!


「あなただって、邪魔したのは悪かったけど、好きなら彼女追っかけなさいよ!美人局じゃないなら、彼女だってあなたに追いかけて欲しいと思ってるはずよ」


「あいにく俺がほんとに追っかけたいのは彼女じゃないんでね」


ドキン!


ボタンを連打する手が止まる。


「な、何言ってるの?」


「…誰だと思う?」


昌さんは後ろからあたしの肩に手を置いた。


「俺が本気で追いかけたい相手…」


「し、知らないわ」


「想像つかねー?」


「つきません」


フッと笑った昌さんの息が耳にかかる。


ドキッ…。