あなたと 2 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

あなたと 2


俺たちはスマホを持つ健を取り囲むようにして、ベンチに座った。



健はテーブルに片肘をついて、少し尖らせた唇に指先で触れながらMVを見始めた。



「うわっ。何?ポケバイ?可愛いじゃん。ちっちぇー。脚が窮屈そう」



なんか実況系YouTuberみたいにリアクションがいいな。こいつ。



「わっ!近い近い近い!より過ぎ!」



井ノ原のアップに笑いながら体を引いた。



「え?何?この子。誰?」



今度はひゅっと顔を近づけて目を丸くする。



「可愛いだろ?」



井ノ原は健の隣で肩を寄せ、ニッと笑って画面を指差した。



「トニセンの新メンバー?」



「違うよッ」



ふたりの向かい側で、俺と長野は同時に笑った。


長野は体を引き、腕を組んで俺をを見た。


「いや、でも、そうだよね。びっくりするかもね。いきなり出てきたら。ファンの人達も」



「一気に平均年齢下がっちゃうね」



と俺も笑った。



Jr.の子だよ」



「へーぇ。可愛いー。あ、井ノ原くんの少年期なんだ。へーぇ。あ、坂本くんだ。坂本Jr.だ」



「いや、それは違うだろ。息子になっちまう」



「おい、下ネタやめろよ。坂本くんの息子とか想像したくねーよッ」


と井ノ原が言って、


「そっちの息子じゃないって!」


と健が笑った。



「実際、親子でもおかしくないでしょ?年齢的に」



「年齢的にはね。あの子いくつだっけ?1516?」



「うん。みんなそれぐらいだったね」



「へーぇ。Jr.かぁ。社長!」



と健は井ノ原の肩をポン!と叩いた。



「立場を利用してやりますね!社長」



「いや、利用してって、言い方!俺にできることって言ったらやっぱJr.の子たちにさ、チャンスを



「シッ!ちょっと黙って」



健は人差し指を立てて、井ノ原を制すと、誰か、イヤホン!と辺りを見回した。



「自分の使えよッ」



「あ、そっか」



健はイヤホンを取り出してペアリングすると、



「ちょっと、集中するから」



と俺たちを上目遣いで見ながらイヤホンをはめた。