触れたくて 6 条の誘い | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

久しぶりのヴィクトリー校の雰囲気が懐かしくて、温かい気持ちになった。


条くんの笑顔がたくさん見れたのも嬉しかった。


条くんが体を揺らして笑ったりするたびに、肩や腕が触れそうになった。


こんなに近くに条くんを感じることが嬉しくて、でも、こんなに近いのに触れられなくて…


条くんとの距離が…やっぱり切ない。


宴会がお開きになって、条くんはこれから時間割作成の仕事に戻るということだった。


ほんとは、少しだけ、ふたりきりになりたかった。ふたりきりになって、条くんの寂しさを確かめたかった。


あんなに笑ってたけど、もう大丈夫…ってわけじゃないよね?


ほんとの条くんは、どうなの?たぶん、隠してるんだよね?悲しみや寂しさを。


それは、どこでどうやって吐き出してるの?吐き出さなくても、やっていけるの?



条くんが笑っていればいるほど、私は、かえって慰めたくなった。






同窓会館を出ると、条くんがふと私の方に少し身をかがめて、



「ちょっと時間ある?」


と囁いた。


上目遣いで私を見る条くんの瞳。


ドキッ…。


「…はい///」


「じゃあ…条件部屋寄って」


件先生は佐久間さんと残って後片付け、宝先生は部活指導と言っていたから…


条件部屋には私と条くんだけ…?


「は…はい」


私は小さく頷いた。