ふたりのパン屋 3 恋 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

元ホストだけあって、俺は恋愛ごっこには慣れてるけど…

ほんとの恋愛には…不慣れだ。


朝顔が花さんと結婚するまでは恋愛を避けてきたし、

結婚したあとは…

恋に臆病になってしまった。



夜道を並んで歩く麦さんの横顔を見る。


美人だし、しっかりしてるし、年も同世代だし、性格もサッパリした感じだし…どちらかといえば、好みだ。

もちろん仕事の付き合いだけだから、彼女の女の部分はわからない。

付き合ってみたら、めんどくさい性格ってことも考えられる。(人のこと言えないけど。)


彼女のアパートに着いて、階段を上がる。


小さな古いアパートだった。


「ありがとう」

部屋のドアの前で麦さんが振り向く。


「いえいえ。お安いご用」


「あの…お礼に…」


おっと?


「ハーブティー、淹れようか?飲んでく?」

ってちょっとぎこちなく言う。


キタっ!

朝顔、来たぜ。


「いいの?」


嬉しさを隠して、遠慮がちに上目遣いで麦さんを見る。


「どうぞ」


って麦さんがホッとしたように微笑む。



麦さん、ガード緩いじゃん。いいのかなぁ。妙齢の独身女性がそんなんで。


それとも…


相手が俺だから?


とか…思っちゃっていいのかな…。


「じゃ…」


お邪魔しますって麦さんの部屋に足を踏み入れた。