DOMINO 5 崩れてくDOMINO | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

俺はふたりで遠征した音楽イベントを思い出す。


「あんときもさ、途中ですげー雨降ってきて…」


って窓の外を見る。ザーザーと激しい雨音が部屋に響く。


「傘がひとつしかなくて、こんななって観たよね?」

って肩をすぼめて彼女にくっつく。彼女は触れ合っている俺の紺のTシャツの肩をチラリと見る。


「君がもうホテルに戻りたいって言って、俺が最後まで見ようって言ってさ、ケンカになって…」


でも、結局野外ライブを最後まで観るのは諦めてホテルに戻り、雨で冷えきった体をベッドで温め合った。


「あのとき…君の意見を尊重したよね?」


いつの間にか、俺はあの時ほど君を大事にしなくなってた?

少なくとも君はそう感じてるの?

だったら、俺が今君のためにすべきことは…。



「ごめん…。ほんとに」


寄せ合っている彼女の肩の温もりが伝わる。


「あのときと同じくらい君のこと大事にしてるつもりなんだけど…君がそう感じないんなら…」


彼女がふいに立ち上がった。フレアスカートがさっと俺の頬を撫でた。


俺は立ち上がった彼女を見上げる。


彼女は俺の方を見ない。



キミのために
何をすべき?

Oh don't tell me you hate me

守ろうとしても 止めようとしても


崩れてく DOMINO