*お誕生日が終わり、ふたたび、お江戸へタイムスリップいたしま〜す(^^)
さっきまで気を失っていたお聡が、玉の汗をかいてウンウンと苦しそうに呻っている。
「お聡っ!」
准は堪らず枕元に駆け寄って、お聡の手を取った。
お聡の手を両手で握って固く目を閉じて心の中で祈る。
頼むから…っ…
死なないでくれ…!
長野様亡き後、自分を生かしていたものは仇討ちという使命だけだと、准は思っていた。
だから潔く腹を切る覚悟も出来ていたのだ。
それが…お聡に出会ってからは…
准さん、と自分を呼ぶお聡の親しげな温かい声。にっこりと自分に笑いかける優しい笑顔。
お聡が、ふいに目を覚ました。
「お聡…っ!」
「…准…さん…」
ハアハアと浅い呼吸を繰り返し、時々苦痛に顔を歪める。
「お聡…!死ぬな…っ」
「准さん…」
「なんだ?」
「あた…しゃ…」
小さな声を聞き取ろうと、色を失った唇に耳を寄せる。
お聡の頼りない息が准の耳にかかった。
「なんだ?ん?」
「准さんの…」
「……」
「み…未練に…なり…たか…っ…」
言い終わらないうちに、お聡は目を閉じた。
「ばかやろうっ!」
准は思わず叫んだ。
「もう…とっくに…未練になってる…っ!お聡!俺は…お前を置いて死んだりは…だから…っ…お前も…」
…俺を、置いていくな…っ!
「どけっ」
坂本が准をどかせて、お聡の様子を見た。
それから、坂本が何やらキビキビと桜やおゆうに指示を出すのを、准は涙でぼやけた目で、ただ茫然と見ていた。