元彼元カノ 24 検証 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

デ、デザート⁇


「デザートは…」


……。


なんだっけ?


彼女が店を閉めてふたりきりになっちゃって…落ち着かないなぁと思いながら慌ててパクパク食べて…


「あ!ケーキ!ケーキだったよ」


って手振りで表す。


「どんな?」


「どんな?」


どんなって…。



膝に肩肘をついて、顎に手をやる。

……。


彼女も同じものを食べてた。フォークを咥える赤い唇は眼に浮かぶけど…そのフォークの先にあったはずのケーキは…


思い出せない。


「…あ…甘かった…かな…?」


って唇をいじりながら首をかしげる。


聡美がじろっと横目で睨む。


甘くないケーキなんて、ないよな。


「ごめん。…あの…気がきかなくて」


って体を起こして、自分の首の後ろを撫で摩る。



「え?」


「そんなに…食べたかったと思わなくて。だって彼女に食べてって言ってたから。包んで貰えばよかったね」


って言うと、聡美がポカンとしてそれから、


「デザートが食べたかったから聞いてるんじゃないわよっ」


って俺の太ももをパシッと叩いた。


「いてっ!」



「なんなの?いったい。どこまでバカなのよ。それともバカな振り?」


ってまくしたてられて、俺はたじろぐ。


「そんなバカバカ言わなくたって…」



「うるさいっ!」



こえーっ…!


口ごたえできずに黙っていると、聡美が俺の太ももに手を置いたまま、ジロリとにらんだ。


「デザートの味を覚えてないってことはぁ…」


って太ももを撫でる。



「…ドキドキしてたんでしょっ」




ドキッ…!



「え?」


って咄嗟にとぼける。


「元カノとふたりきりになって…ドキドキしちゃったんでしょ?」


って俺の胸に手のひらを当てる。


聡美が、


「あ。今も、『バレちゃったヤバイ』って、ドキドキしてる」


って俺の顔を見る。


「い、今は聡美のそばにいるからだよ」




「はーんっ!…上手いこと言っちゃって」


って眉を上げて俺をバカにしたように見ると、急に俺の胸に顔を近づけてセーターを摘まんだ。



「口紅のあと、ついてるわよ」



心臓が飛び出そうになった。