元彼元カノ 22 彼女の起こし方 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

条件コンビから逃げるように電車を降りて、改札を出た。


明日また学校で冷やかされるんだろうなぁ…。

肩をすぼめてポケットに手を突っ込んで早足でうちに向かう。



家の明かりが灯っているのを見ると、いつもはホッとするのだが、今夜は…


ああ…なんか緊張する。


これじゃほんとに浮気したみたいじゃないか。


大丈夫。何もやましいことはしていない。








ガチャッ。


「ただいまぁ…」


家のどこからも、返事はない。



間接照明だけを灯したリビングに足を踏み入れる。


ガラスのローテーブルの上に、氷の溶けた水割りのグラスがひとつ。


革張りのソファーで眠っている青いワンピースの女がひとり。


一方の肘掛けに両腕を置いてその上に頬を載せて瞼を閉じている。



「ただいま…」


待ちくたびれて眠ってしまったらしい聡美を見下ろす。



「聡美…」



水割りを飲んで、思っていたのは俺のことか、それとも、電話をかけてきたあの娘のことか…。


どんな用件だったのだろう。ヘビーな話じゃなければいいが。



「風邪引くよ、聡美」



疲れた顔で寝息を立てている聡美に声をかけるが、起きる気配はない。


「さぁとみ…っ」


腕時計を外して、テーブルに置き、聡美の寝顔を覗き込む。


さて…


起こし方は色々あるけど…。










准のことを思いながら寝てしまったからだろう。


准とキスする夢を見た。


そっと唇を触れ合わせて、割り込んできた准の舌があたしを痺れさせる。


…なんてリアルな…


夢…


じゃない⁇


パチッと目を開けたら、准の艶やかな肌と濃いまつ毛がどアップで飛び込んできた。


「…っ‼︎」


ビックリして思わず准の肩を押して体を離した。



「おはよ」


って准が悪戯に成功した子供みたいに嬉しそうに笑った。