元彼元カノ 8 うちの… | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

※ 最初に言っときます。みなさん、ドラマだからねっ!宝だからね!そして相手は峰不二子(聡美のことだ)だからねっ!








「いらっしゃいませ」


店のドアが開く音に振り向いて彼をみとめた瞬間、胸がキュンとなった。


ビックリ。


ほんとに恋してるじゃない。あたし。元彼に。


今日はスーツじゃない。シンプルだけど、よく見ると編みの凝ったグレーのサマーニットが、さりげなくお洒落で素敵だった。


それに、懇談の時とは違うカジュアルな雰囲気が、またプライベート感が増して…ドキドキしちゃう。



その彼がドアを開けて先に通した女性が…またグラマラスでビックリした。


露出は少ないのにメリハリのある綺麗なボディーラインが色っぽくて、堂々とした佇まいに鮮やかなロイヤルブルーがよく似合っていた。



うーん…なんだろ。そう。峰不二子みたい。こんな体型の日本人っているのね。


嫉妬を通り越して…憧れてしまいそう。



彼の奥さんが(奥さんなのかな?)こんな人で、むしろ良かった。


彼が彼女を従えてしっかりとした足取りでこっちへ来た。


「こんにちは」


少し照れたように笑って、後ろの彼女の方をチラッと見た。



「うちの…」


って口元に手をやって、少し口ごもった。


昔のシャイな彼が蘇る。




「…かみさん…」



……。



か、


か、


かーみーさーんー⁇

(カミセンじゃなくてかみさん⁇)



彼が少し顔を赤くして一歩横に移動すると、彼女が、


「聡美です。彼がいつもお世話になってます」


って、にっこりと微笑んで丁寧にお辞儀をした。



「い…いえ。こちらこそ。鈴木花音の母です。娘がいつもお世話になってます。どうぞこちらへ」



あたふたと挨拶をして、奥の席へ案内した。



彼の口から出た「かみさん」という言葉がグルグルと頭の中で渦巻いていた。