嘘 23 白状 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

「吐いた吐いた。吐きましたよ。洗いざらい、全部」

俺は首を回し、片手で肩を揉みながら、相談室から職員室に戻り、宝の隣に座った。


橋本は、すべて白状した。


今は、保健室で条と上野さんから指導を受けている。



気になる情報の仕入先だが、レイプ未遂の件は、上野さんを騙した佐々木からだった。



「佐々木と繫がりあったんだ」


って右手に包帯を巻いた宝が驚く。


宝は、四階の庇で落ちてきた上野さんを抱き留めたときに、手をケガした。

上野さんはほぼ無傷だったから、たいした男だと同じ男ながら惚れ惚れする。


ま、宝を庇にスタンバイさせたのは俺だけどね。←



「橋本の母親、ピアノ教室の先生なんだって。佐々木がその教室通ってたって」


「へーえ。母親の教え子だったんだ」


「橋本がうちを受験するってんで、先輩にあたる佐々木から、いろいろ話を聞いたりして仲良くなったらしいよ」



ただ、佐々木は、上野さんを自分を助けてくれた恩人として話していたらしく…



「橋本はそれを自分に都合よく話を変えてばらまいたってわけか…」



って宝が腕組みする。



「上野さんを、それを理由に条に交際を迫った嫌な女ってことにして」


「すげーな。…でも佐々木は、実は自分が上野さんを騙したってことは?」


「言うわけないじゃん!たまたまレイプ未遂にあった自分を、たまたま助けてくれたって話だったらしいよ。自分に都合の悪いことは話さないでしょ」


「そっか…。ふぅん…。あ。…で、佐倉さんの話は?」


「あ!あれはさ…なんと…」


って俺は辺りを憚って宝の方に身をかがめる。宝もこっちに体を傾ける。


「な、なに?」