噂 17 苦手な女 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

橋本が唇を噛んで俺を見上げる。


「そんなに…上野先生のこと好きなんですか?」


ドキッとした。

確かに、感情的になってしまっていた。それを敏感に指摘されて一瞬動揺する。


「自分の彼女が傷つけられたから、そんなに怒って…仕返しに、そんなひどいこと言うんでしょ?」



「仕返し?」


って俺は眉間に皺を寄せる。


いや、そうじゃない。

待て待て。話が変だ。なんでそんな話になる?


「そんな話をしてるんじゃない」


「あたしが書いたんじゃないって言ってるのに…先生は…あたしの言うことなんて…全然信じようとしないで…」

って橋本が泣き出した。


「あたしを犯人扱いして…先生は…上野先生を守ることしか考えてない…っ!」


わーっ!と机に突っ伏して泣きじゃくった。



話のポイントはそれているのに、俺の桜への気持ちだけは完璧見抜かれてて…


俺は呆れて言葉を失う。


肘をついている方の手で口を覆い、体ごと横を向いて、反対側の手をポケットに突っ込む。


横目で、泣いて小刻みに震えてる橋本の長い黒髪を見る。


まいった…。


俺は目を逸らして、ため息をついた。


マジ完璧、ダメ。こういう女。生徒じゃなかったら、絶対絡みたくねーわ。