体育祭 3 晴れ間 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

けんちゃん先生が胸の前で、両手首の内側を合わせて掌を上に向け、指を広げて花が開いたような形を作る。


その花から視線を外さずに、手をすーっと上にあげていく。


肩で息をしながら、天に花を捧げるように真剣な顔で上を向く。


先生のセクシーな喉仏。流れ落ちる汗。


50人の手がまっすぐ天に向かって伸びていく。


ぴったり揃ったその動きに鳥肌が立った。


全員の手が頭の上でピタリと止まる。


その瞬間、雲の切れ間から、日の光が差し込んだ。



スポットライトのように、光の梯子が、天を見つめて真っ直ぐ立つ先生におりてくる。



雨に濡れた先生の髪やまつ毛や唇がキラキラと輝く。



目頭が熱くなった。



音楽が止んで、全員が整列して挨拶をすると、どっと拍手と歓声が沸き起こった。


団員たちは一目散に退場門へ駆けて行く。

先生が、退場門で、涙ぐむ団長の頭をポンと叩いたのが見えた。


それから、佐久間さんに後ろから話しかけられて、何か話している。

雨に濡れた佐久間さんの金髪が綺麗だった。

笑いながら、佐久間さんのお尻に蹴りを入れる仕草をする。

佐久間さんがお尻に手を当ててから、先生の肩をパンって叩く。

それから先生がダッシュして、佐久間さんが追いかける。

先生は生徒の中に紛れ込んで、生徒たちに囲まれる。

佐久間さんは佐久間さんで、生徒に取り囲まれて、ふたりは離れたけれど…。


あぁあ…。


ため息をついて、空を見上げる。

また雲が太陽を隠そうとしていた。



「持ちますように」

って条先生が隣で手をこすり合わせて祈る。


「あれ?先生、次赤団でしょ?救護テントなんかにいていいんですか?」


赤団は入場門に並んでいる。


「いいの。俺、こっからだから」


「え?」