体育祭 2 けんちゃん先生のダンス | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

風が雨の匂いを連れてくる。

曇天の下、50人ほどの団員が団長を頂点にして三角形に並ぶ。

先頭の団長の女子生徒の右後ろに健ちゃん先生。左後ろに佐久間さん。


すらりと伸びた綺麗な脚に思わず見惚れる。

学ラン姿で手を後ろに組んで全員俯き、音楽を待つ。

先生の髪が風になびく。ピンクの鉢巻がはためく。


シンと静まり返るグランド。


緊張感が伝わってきて、胸が高鳴る。




ダン!と太鼓の音で音楽が始まって、キビキビとした動きのダンスが始まる。

先生の真剣な顔。キレのある動き。

両膝を曲げて飛ぶジャンプの高さは、先生と佐久間さんが群を抜いてる。

驚いたのは、佐久間さんの笑顔。なんて生き生きと楽しそうに踊るんだろう。

先生が横向きで胸に手を当ててこっちを見ながら、胸を波打たせる。髪で顔が半分隠れて、すごく…色っぽい…。


間奏の間に、髪をかきあげて、後方に移動する。

その時に、佐久間さんとアイコンタクトをして、次の瞬間、パッとジャンプして二人がこっちを向く。

ザッ…!

着地のタイミングも、広げた足の幅も、手の高さも、息をのむほどぴったりで…。

徐々に体を右に傾けていくそのスピード、角度。全てが、見えない糸で繋がっているように全く同じ。

右から後ろ…それから、左。腰を中心に、上半身で円を描く。

目線も、同じところを見てるみたいだった。

よっぽど練習したんだろうか。

ふたりで…。


雨がポツポツと降り出した。


「降ってきたな」


って急に背後で声がする。


振り向くと、赤い衣装に身を包んだ条先生が立っていた。


「でもすく晴れるよ」

って、スマホの画面をあたしに見せる。


「今、この雨雲。切れ目があるだろ。桃団は最後まで踊れるな」


大きく胸の開いた衣装で、前屈みになるから、ドキッとした。

ほくろが…セクシー。///

「先生、その衣装…校則違反じゃないんですか?」


条先生が、ニマッと笑う。


「今日は祭りだから特別。みんなすげー格好してんじゃん」


「生指部長も今日は目を瞑るんですね」


「明日っから元に戻せりゃいいの。要は、ケジメ。だろ?」

「はい」

「お。雨止んだ」