指導教官 8 夜の学校 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

なんとか教案を書き終え、門を出たときにはもう8時を回っていた。


「すいません。遅くまで付き合っていただいて、ありがとうございました」


「駅まで送ってくよ」


「大丈夫です!あの、条先生たち待ってるし」


「いいよ。待たせときゃ」


って自転車を押しながら歩く。


「ツンデレですかっ?やめてください!」


「は?意味がわかんないんだけど」


「いや、もう、ほんとにいいです!」


「いや、夜だし、暗いから」


「いいです!ほんとに!佐久間は大丈夫です!」


「ねぇ…」

って先生が立ち止まる。


「お前、そこはね、遠慮するとこじゃないよ?」


「でもほんとに遅くなっちゃったし、条先生たちに悪いし、先生ひとりなら自転車でピューッて行けるし…。あ!じゃあ、今度ご飯奢ってください!それでいいです」


「いや、その方がイヤなんだけど…」


「ああ!もうほんとにいいですっ!失礼しますっ‼︎」


って駆け出したあたしの後ろから先生の声が追いかけてくる。


「あ!佐久間!溝…」


「きゃ~~っ‼︎」






溝があるのに気付かず、ハマって足をぐねってしまった…。


先生の腕にしがみついて、学校の保健室に向かう。


「先生~~っ」


「なんだよ。ほんと鈍臭いなお前」


「夜の学校超怖いです~~」


長くて暗い廊下にぼんやり灯る非常灯。


「学校の怪談です~~」


「トイレの花子さん?」


「先生…」


「なに」


「トイレ行きたくなっちゃいました~」


「行けば?」


「ムリです!」


「じゃ我慢しろよ」


「それもムリです」


「じゃ、漏らせ」


「ムリです~~っ!ついて来て下さい!先生」


「やだよ。女子トイレだろ?」


「じゃ、男子トイレ行きます」


「そういう問題か?」


「先生に合わせます」


「意味わかんないよほんと。なに?どっち?」


「男子トイレで」




先生が、ここで待ってるからって男子トイレの前で立ち止まる。


「先生、中までついて来てくれなきゃ男子トイレにした意味無いじゃないですか!」


「あ、そっか」


個室の前で先生に待っててもらう。


さて…。

あ。

「先生、やっぱりムリです~」


「は?なに?紙無いの?」


「紙はあるけど、音姫様がありませ~ん」


「口で言えばいいじゃん」


「は?」


「ジャーッとかショロショローっとか言いながらすれば?」


「イヤです!ムリです!恥ずかし過ぎます!」