指導教官 4 条と桜と佐久間 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

5限。生徒指導室。


生徒指導室でひとりで留守番をしていると、条くんがやってきた。


ガラッ。


「上野先生…」


って手に持った書類を見ながら入ってくる。


当たり前だけど、条くんは、学校ではあたしのことを桜じゃなくて上野先生って呼ぶ。それは、たとえ周りに人がいなくてもそうで…。


少し他人行儀な「条先生」にドキドキしてしまう。


つい、見惚れていると、パッと目が合う。


「なに?」


「え?///」


「なんかついてる?」


「は、はい。目と鼻と口と…」


条くんが、下向いてプッと吹き出す。


「古典的だなお前」


書類をあたしの机に置くと、あたしが座っている椅子の背に手を置いて、説明し出す。


「朝チラッと言ったやつ。体育祭のときの警護係割り振って欲しいんだけど。ここに人数書いてあるから」


「はい。教育実習の先生も1でカウントしていいですか?」


「ああ…。実習生は0.5人でカウントして」


「はい」


「……」




見上げると、条くんの顎が目の前にあって…条くんは廊下に素早く目を走らせる。


こっちを向いたと思うと、チュッていきなり頬にキスされて、あたしは驚いて肩をすくめる。


条くんが甘く微笑む。


な、な…っ///



上野先生って呼んでおきながら…いきなり条先生から条くんにならないで!


顔を赤くしてるあたしを見て笑うと、じゃあよろしくって、背を向けて片手を上げ、生徒指導室のドアに手をかける。


すると、条くんがドアを開ける前に、いきなりドアがガラッと開いて、


「わ~~っ⁇」


って条くんがバタバタって驚く。



「条先生‼︎」


「びっくりさせんなよっ佐久間っ!ノックしろっ‼︎」


って、両手で胸を押さえて体を丸める。


「すみませんっ!…ってか…なんでそんなにビックリしてんですか?」


「うるさいっ!ビックリするだろー普通」


「あ。…あれ?」

ってあたしと条くんを見比べる。

あたしは、軽く会釈して、さっきの書類に目を通す。


「あれれれ…?…もしかして…」


「おい、なにしに来たんだっ」


「はい?」


「なんか用があって来たんだろ」


「あ!そうだった!さっきは、授業見学させてもらってありがとうございました!」


ほっ。なんとか切り抜けられそう…。


「すごくかっこよくて萌え死にしそうでしたっ。やっぱ先生、前髪ある方がいいですよ!」


「お前さ…それ…授業の感想じゃねーだろ…。何を学んだんだっ何をっ!」


「はい!愛です!」


……。


あたしは、笑いを堪えるのに必死だった。