疑い 11 取材許可 | 上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

上目遣いのけんちゃん先生 V6カミセン 小説

V6の三宅健と森田剛と岡田准一をイメージしたイケメン教師が、今どきの女子高校生たちと繰り広げる学園ドラマ。ドラマの進行の合間に出てくるけんちゃん先生の古典講義は勉強にもなる?

結局、俺と聡美のふたりがかりで、マスターを口説いたことになる。


早春のある晩、ついにマスターが聡美の取材に応じてくれることになった。


いつもより早く店を閉めたマスターと一緒に、3人で近くの古い一軒家まで歩く。

「へぇ。マスター、一軒家に住んでんだ」

「借家ですよ」

「ねぇ?店じゃないんだし、敬語は無しにしましょうよ」

「そうだね。だってマスターいくつ?」

「44です」

「え?見えない!絶対見えない!」

「わっけ~」

黒いVネックのシャツにジャケットを羽織り、ジーンズを履いたラフな格好が、店にいるときよりも、マスターを若く見せていた。


一挙手一投足がスマートに見えるのは、スタイルがいいからだろうか。

モテるだろうな…。


俺はマスターを見上げる聡美の横顔を盗み見る。



聡美が俺の視線に気づいて、ニコッと笑うと俺の腕をとって寄り添って来る。



俺はちょっと安心して、聡美をからかう。


「良かったね。まだ聡美の方が若いよ」


「うるさいわね。あなたが一番子どもってことね」


聡美がギュッと俺の腕を引き寄せ、いきなり頬にキスをした。


「ちょっと…!///」


俺は驚いてマスターを見る。

マスターの前でキスなんて…///



マスターは嫌な顔をするわけでもなく、フッと笑って聡美を見る。



マスターと目が合って、俺は照れて口元を手で覆う。


マスターの前でも、俺への好意をあらわにする聡美が、恥ずかしいけど、嬉しかった。